12月1日に、学校も行かない、とハスはんは宣言して、ずーっと学校を休んできた。途中、給食と図工や外国語に参加することはあった。私としても今の校長の方針は全く我が家の方針には合わないから、学校行かなくていいと思っている。
3月末で奄美を去る。世界自然遺産に登録されるくらい、奄美の山はすばらしい。海じゃなくて、山が素晴らしい。でも山にはハブがいるから普通の人は足を踏み入れないし、行くべきじゃないと言われる。よって、本当の山が大好きで良く山を知っている人しか行かない。だから、奄美の山の自然は守られていて、素晴らしいんだと思う。奄美を離れる前に、せっかく学校に行かないで時間があるハスちゃんと、奄美の自然を満喫したいと思った。
2人で山に入るのは怖い。だから、山が大好きでよーく知っている知人に、ガイドを頼んだ。希少植物の調査で忙しい知人が、月曜日休み取れそうだし、天気もよさそうだから、山行こう!と誘ってくれた。よしきた!とハスちゃんカメちゃんに伝える。カメちゃんは、学校に行くと言う。じゃあハスちゃんと2人で行ってくるねと言ったら、ハスちゃんも、給食の紫芋チップスが食べたいし、私学校に行くと言う。びっくりした。
学校に行きたいと言う子どもを、止めるわけもなく、ハスちゃんは2か月ぶりに学校に登校した。山歩きに誘ったら急に登校した。よくわからないけど、そういうものなのかもしれない。
私は山の達人の知人と2人でゆっくりと大人の山歩きを楽しんだ。道なき道を行くような、そんな場所。ガイドブックにはのっていないし、むかーし昔の人は知っていただろうけど、今では行く人もいないような場所。気配が、人里ではない、神の領域だった。苔むしていて、すべてが緑がかっていて、朽ちたヒカゲヘゴと、木の根っこが素敵だった。夢見の滝と知人が名付けた滝も、夢みたいだった。
町から1時間くらいの場所だとは思えない、領域。そこで知人とお弁当を食べてコーヒーを飲んで語らい、その時も自然に癒される気持ちいい空気感、冷たくて、緊張感のある、人間界とは違う空気の味を楽しんだけど、町に戻り、知人とカフェでチャイを飲んで、家に帰って子供に夕飯を支度している時に、あの場の貴重な、稀有な空気感を改めてとーっても感じた。反芻する感じ。昨日の出来事なんだけど、今日、今これを書きながらも、あの場の空気感を思い出して胸がぎゅっとなる。
ハスちゃん、2日学校に行ったけど、今朝、お腹が痛い、と起きれなかった。やはり学校嫌なんだね。2か月ぶりに登校して、私がその夢見の滝でゆっくり大人の時間を過ごせるように計らってくれたのかな、と思っている。