カメちゃん、参観日

わが子の成長に気づくことは難しい。久しぶりに会った人に、背伸びたねー、大きくなったねーと言われるハスちゃんカメちゃんを見て、そう?毎日見てると気づかないね、といつも答えている。見た目すら成長を感じられていないから、内面の成長もしかりなのだけど、先週、カメちゃんが成長している様子をとても感じられた。

参観日があった。イエナプラン教育校の参観日はとても楽しみだ。見てて楽しい。普通の学校の参観日は、退屈で、見てられない。そこに大切な何かがあると思うんだけど。

参観日の度、カメちゃんが前のめりに授業に参加していて、発言しすぎるくらい発言し、イキイキと学ぶ姿を見てきた。今回の参観日は、教室に入ってすぐ違和感を感じた。先生の周りをぐるりと児童が半円に囲んで座っているんだけど、カメちゃんは先生の方を向かないで、一番後ろ、に座っている。いつもと授業への姿勢が違う。カメちゃんの横に、あまり授業に参加しないタイプの子が座っていて、先生が話している間、ひたすらその子とふざけている。

カメちゃんの所に行って、話している先生の方におへそを向けて座ること、ふざけないこと、何度も言ってやろう!と思ったけど、思いとどまった。参観日くらい、良いかっこしようと思わないのか?とも思って。そんなカメちゃんを見るのはストレスだった。

帰りの車の中で、カメちゃんが「最近、先生が変なんだよ」と話し始めた。「前はカメちゃん、と呼んでくれていたのに、今はお前!って言う。怒りをぶつけてくるんだ」

それを聞いて、私は、カメちゃんの態度に理由があるんじゃない?と言った。きちんとしている児童に対して先生はお前なんて言わない。お前って言わせてるのはカメちゃんじゃない?と、参観日でイライラしたカメちゃんの授業態度のことにも言及した。そしたら、カメちゃんはあの態度は先生に痛い思いをさせるためにわざとやった、と言う。そこで私はカチンときて、あなたのあの態度がどう先生を痛い目に合わせるの?痛いのはあなたよ!と、カメちゃんと言いあった。「あなたのやったことは間違ってる!」と言うと、カメちゃんは悔しそうに泣いていた。

カメちゃんは、先生の自分に対する態度に不満を持っていて、そして参観日の時の先生の態度がいつもと違い過ぎることに腹を立てていたようだ。そこかぁ、と思った。そりゃ、先生だって、参観日、保護者が見ている前ではいつもとは色々違うよ、よそいきの自分を見せるよ、と話した。

家に着いて、カメちゃんは泣きながら自分の部屋へ駆けあがっていった。カメちゃんが先生に対してネガティブな感情を持ってしまっていること、その感情が、カメちゃんが成長中であるからこそのものであること、を感じて、その負の感情を出来るだけ和らげてあげたいな、と思い、学校に電話した。

先生も、参観日の授業でカメちゃんがいつもと違うな、とは感じたようだ。私が、先生が親の前でいつもとあまりにも態度が違うことに怒ってあんな態度を取ったようですと伝えると、「そうなんですかぁ~!」と驚いていらした。

参観日の日の午前中、ブロックアワーの課題を早々と終わらせていたカメちゃんが、chromeブックをずっと見続けていたことを先生は注意した。その注意のされ方がカメちゃんは気に入らなかったんだろう。でも、先生の意見は私も支持したい。せっかく課題が早く終わったなら、その余った時間を有益に使ってほしい。chromeブックでゲームしたり、なんて、やめて欲しい。ただ、カメちゃんは先生がお前って自分を呼ぶことを嫌だと思っているんだから、そこだけ先生にお願いした。先生は恐縮した様子で、今後気を付けますと言ってくれた。先生も、最近のカメちゃんの覚醒状態を喜んでいてくれて、「今、だからこそより丁寧な接し方を心がけますね」と言ってくれた。

正論こそ、丁寧な伝え方をしなければいけないな。

カメちゃんは、1時間くらいしたら復活した。泣いて、冷静になったのかな。ママごめんね、と抱きついてきた。こんな6年生男子、いる?かわいいやつだなぁ、と思った。私も、カメちゃんの気持ちを分かってあげられなくてごめんね、と言ったら、また泣いていた。

大人って状況次第で態度を変えること、(子供だってそうだけどね)、課題が早く終わった後どう時間を使うかを考える必要があること、嫌なことがあったときに対処法など、カメちゃんは学んで、また一段と成長したんだろう。

ぐんぐん成長中のカメちゃんを、まぶしく、見守ろう、と思います。

期末テスト終わりました

ハスちゃん、1学期期末試験終了。昨日はご機嫌で帰ってきて、テストがどんな、だった、あんなだった、よく話した。

「数学ね、時間が足りなくてくやしい、時間があれば全部できてた、あと4問!美術は100点の自信ある。英語も9割はできたかな。」

分かりやすい。手ごたえがあって、機嫌がいいとよくしゃべる。手ごたえがないテストの話はもちろんあまりしないし、返ってきても見せない。笑 いい点の時は、ママ見て!と見せに来る。実に分かりやすい。

私がハスちゃんに関心するのは、塾にいかないで自分で勉強していること。塾に行きたいと言ったこともない。クラスはほぼ全員塾に行っているみたい。確かに、中学生は塾率高いよね。私も数学だけは塾へ行っていた。学校の授業だけでは数学は理解することが難しかった。

ハスちゃんは、「やっぱり教室で授業を受けると、よくわかるねー」と嬉しそうに言っていた。フリースクールや、保健室でオンラインで授業を受けていたけど、板書も見えないし、分かりづらかった様で。先生はクラス内の生徒に向かって授業をするんだから、オンライン用ではない。分かりづらくて当たり前。

数学、授業を教室で受けるだけで、理解度がぐんと上がり、テストもできたんだろう。とにかく嬉しそうだった。

私は、ハスちゃんが塾に行かないでなんとかやれていることが、凄いと思う。多方面で嬉しい。お金がかからない、ハスちゃんの時間が塾にとられない、自分で学ぶ、いいことづくめ。やはり、どんぐり式子育てがよかったんだと思う。

先生

子供は鋭い。ハッとさせられる発言を、突然する。

カメちゃんのクラスには、担当教員が2人いる。そのうちの1人N先生が、1学期でいなくなるそうで。カメちゃんはとても喜んでいる。先日、放課後公園で遊んでいて、Yくんが「N先生嫌いな人~?」って聞いたらしく、そこにいた全員が手を挙げたらしい。すこぶる評判が悪い。

Lくんは電気係だけど、一回仕事を忘れただけでN先生は30分くどくど叱り続け、Lくんを泣かした、嫌い。Tくんは音楽が好きじゃない。だから音楽の授業はいつも後ろの端っこの方にいるんだけど、N先生がこっちに来なさい!とTくんの服を引っ張って無理やり前に来さそうとした。暴力ふるう、嫌い。昨日ママが朝の体温の連絡をしたつもりで出来ていなかったのに、僕が怒られた。「ママはやった、と言っていた」と言うカメちゃんに、N先生は「やったのに、こちらに届かないってことなないでしょう」と言った。嫌い。

私に報告してくれただけで、これだけの嫌いエピソードがあって。あまり人を嫌いにならない方が、なんて言えない状況。笑

私が住む地域から1時間ほど車を走らせた場所に、広瀬学園という 福山市内全域から入学・編入が可能な特認校 がある。不登校を経験した児童生徒の受け皿となる学校、という認識なのだけど、昨日興味深い話をきいた。

福山市の公立小学校で不登校となり、広瀬学園へ転入した低学年の女の子の母親と話す機会があった。去年は担任の先生がよくて、通えたんだけど、今年度は担任が変わり、合わなくて、学校がまた嫌になって、通えなくなった。だそうだ。

特認校、とはいえ、明確な理念があるとはいえないからか。とにかく、先生次第、みたいだ。先生次第、は、本当にそう。奄美大島のザ・昭和!な指示強制が当たり前の小学校でも、カメちゃんの2年生の時の担任は最高だった!カメちゃんは学校大好きだったし、その先生が今まででのベストティーチャーらしい。イエナプラン教育、という素晴らしい看板を上げていても、その先生に勝る先生はそうそういない、のが現状。やはり、人、なんだよね。

イエナプラン教育がいいと思うのは、理念、理想が明確で行動指針具体的。だから、先生の行動がそれから反すると、わかりやすいし、是正しやすい。掲げるなら、具体的な看板をかかげるのがいい。そうしたら、先生も不本意ながら自分の信念や信条やプライドよりも、その理念に沿う行動をしなければならないから。

カメちゃんのクラスのもう一人の先生は、まぁ、好き、らしい。私もいい先生だと思っている。だけど、「ママの前と僕たちの前でなんか変わるから、そこは嫌。隣のクラスの先生は、大人の前でも、子供のの前でも全然変わらない」と言う。よく見ている。子供はすごい。

それぞれの日々

カメちゃんが今朝、「ブロックアワー楽しみ、ブロックアワーが楽しいんだ」と言った。2回も。よっぽど楽しいんだろう。ブロックアワーとは、与えられた課題を自分で計画して学んでいく時間。早く終わる、というフェーズを超え、今や楽しい、と言っている。実際の様子を見ていないからよくわからないのだけど、でも、楽しい、と感じているということは、とてもいい。それ以上は無いくらい。

カメちゃんがハスちゃんに、「今日お友達3人くらいと一緒にいたねー」と言った。ハスちゃんが自転車で帰宅する道中に、カメちゃんが遊んでいる公園があるから、帰り道に見たらしい。私にとっては、とても嬉しいことだった。お友達と帰宅する、なんて、今まで無かった。いつも一人でぴゅーっと帰ってきていた感じ。お友達と帰宅、という多くの人には当たり前だろうけど、私にとっては嬉しすぎる情報。よかった。

ハスちゃん、今日から期末試験ということを、昨日知ったらしい。明日からかな、とか思ってたみたいで。どんだけ~で、1日試験が早く始まることを知っても、帰宅後はテレビみてくつろいでた。余裕、というか、どっちかというと、あきらめているみたいだ。ま、いっか。

私は、ずっと作りたかったラフィア(椰子の葉の繊維)の鍋敷きを完成させてご満悦。幸せだ。

ゆめパのじかん

川崎市にある子どもたちの居場所、「川崎市子ども夢パーク」が舞台の映画、ゆめパのじかん、を見た。いろんな子、本当に色々な特性を持った子が出てくる。たくさんの名言らしき言葉もちりばめられている。じわじわ、と染み入る映像作品だった。

映画が終わった後、感想シェア会があって、やはり見た人それぞれ、自分の興味や思いが違うから、それぞれ印象に残ったシーン、言葉、があって、私はそんなとこあったっけ?と何度思ったことか。かなり自分の人生を投影して見ていたのかもしれない。

他の参加者とも一致した心に残るシーンが、木工が好きなサワちゃんという女の子の発言「宮大工になりたいから、卒業生の8割が宮大工になるという大学を目指すか、それとも失敗した時のことを考えて、失敗してやりなおしがききそうな、名のある大学に行っておくか、宮大工は本当にやりたいかどうか、わからないし」というもの。私は胸にずーんと響いて、とても悲しいなぁ、と思ったシーンだった。

サワちゃんは、学校は自分の行きたい場所ではないことを感じ、ゆめパに通い続けていて、しっかり自分の意見を言える子。あれは嫌、だからこうする、と自分で決められる子。イベントでお店を建てる時なんて、釘を口にくわえて金づちトントンしている姿がもう、大工さんそのもの、かっこよかった。そんなサワちゃんでさえ、自分の気持ちに自信が持てず、一直線にそこに向かう、より、名のある大学を目指す方がいいのではないか、と迷ってしまうんだ、というところが衝撃だった。サワちゃんが迷うなら、他の子が迷わないはずはない。

そして、そのサワちゃんの迷いは、恐らく大人がそう言わせている。社会の仕組みがそう思わせてしまっている。あぁ、なんと悲しいことか。10代の若者が、失敗を恐れず、興味に向かって全力をかけて突き進む、そんな世の中であって欲しい。サワちゃんの様に迷った時に、勇気づけられる大人が何人か周りにいたらいいと思う。

私は、そんな大人でいたい、と思った。

夏至、キャンドルナイト

我が家、夏至と冬至は電気をつけず、キャンドルで過ごすことにしている。

東京のあるお店が、夏至にキャンドルナイトをしていて、ずっと行きたいなーと思っていたけど、ハスちゃんカメちゃんがまだ小さく、行けずじまい。東京を離れ、広島を経由して奄美に移住。奄美でそういうのが好きそうな仲間と出会い、あこがれ続け、行けなかったキャンドルナイト、自分でやっちゃえば?と思いつき、始めた企画。

スイッチをパチッと押すだけで、電気がつくのが当たり前。夜も明るい、便利な生活を享受している。便利さと引き換えに、いろんなものを失っているのも確か。

簡単に安定した電気を使えることで、食事の時以外は家族バラバラ、の生活が当たり前。特に思春期のハスちゃんなんて、大体自分の部屋で過ごす。

簡単に明るい生活をしているから、キャンドル準備を億劫に感じる。 年に2回でも。何と怠惰な人間なのか、と驚くくらい。色々、今回はキャンドルナイトをしない理由を数える自分を制し、とにかく、キャンドルを設置した。

キャンドルで過ごすと、いつもは見えないものが見えてくる。7時でもまだ外が明るいこと。電気をつけてたら気づかなかった。キャンドルの光だと暗くて見えにくいから、 子供の顔をじーっと見つめること。キャンドルの光だけだと、急に別世界。いや、世界は変わっていない、人間が変わるんだ。面白い。

キャンドルで過ごすと、心が落ち着く。気持ちがやさしくなる。子供は怒られるようなことはしないし、怒る気もしない。忘れている何か大切な事を思い出しそうな気分になる。

キャンドルナイト、もう少し頻度を上げてもいいかな、と年2回でも億劫がっている私のセリフとは思えないけど、思っている。

カメちゃん覚醒中

カメちゃん、覚醒中。

「今日、またドッチボール勝った!」とカメちゃん。先生とカメちゃんがチームリーダーとなり、対戦。カメちゃんは、外野専門らしく、一発目で先生を仕留めたらしい。周りのみんなも、カメちゃんがいたら勝てる、と言ってくれるらしい。「俺がおったら勝てるってみんなが言うんよ。それ聞いて先生が、俺だって強いよ!って反論しとった」と。ま、カメちゃんから聞く話だから、何割か盛ってるかもね。でも、毎回先生のチームに勝ってるのは事実。カメちゃんの、勝ちたい!勝つ!という気持ちの強さが勝ってるんだろうね。

「俺、ブロックアワーの課題もう終わった!」と火曜日にカメちゃんが言った。ブロックアワーとは、イエナプラン教育で子ども自身が週の計画を立て、学習を進めていく時間のこと。その週の課題を1週間かけて金曜日までに終わらせる。1年2か月前に、イエナプラン教育校に転入したカメちゃん、終わらない課題に押しつぶされて学校を休んだ日もあったなぁ。そこから、ブロックアワーを上手にこなすクラスメイトにやり方を聞いて、真似て、金曜日に課題がすべて終わるようになった!と喜んでいたカメちゃん。そして今、なんと火曜日にその課題がすべて終わっているなんて。。。

先週は、その見本にしたクラスメイトと共に、ブロックアワーの課題が水曜日くらいに終わったらしい。そして今週は、火曜日に課題を終わらせたカメちゃんに対し、そのクラスメイトは「はやっ!」と驚いたらしい。カメちゃん、成長したね。

どんぐり倶楽部方式で子育てをしていると、学ぶことにスピードを求めることはしない。日曜日の夜、今週もブロックアワーの課題、めっちゃ早く終わらせる!と息巻いているカメちゃんに「速いだけがいいわけじゃないから、ゆっくり、じっくり、丁寧にね」と言ったら、課題を早く終わらせたら、後は自分のやりたいことに時間が使える。マイプロ(1年かけて自分の興味あることを探求するプロジェクト)する時間がたくさん取れる、と頼もしい返答。今日は、何やら重曹とクエン酸で実験をする!と張り切っていた。

そして昨日、家庭科の時間でランチョンマットを作っているんだけど、カメちゃん一人、もう出来上がっていた。「来週からプールが始まるけど、水着に着替える部屋が丸見えだからカーテンを作ったんだ」と。先生から依頼されたらしい。カーテンを縫ったのか。やるなぁ。

スポーツ、座学の課題、家庭科のミシン、児童会役員、全方位で大活躍の模様。(本人の話を信じるならば)意味わからんだろうな、と思いながら、「カメちゃん、覚醒中だね」と言ったら、うん!と返事。何かの漫画で出てきたから知ってるって。

さぁ、覚醒した後、何が起こるか。ちょっとドキドキ。

しつけは徹底(>д<*)コワイ

ハスちゃんが持ち帰って部屋の床に転がっていた(笑)教育講演会の手紙を拾い、読んで震えた。演題が「しつけは徹底、教育は感動」とあったから。しつけは徹底、に震えた。

まず、これは、私の個人的な意見であること、この演題に深く共感する方が多いんだろうな、そして講師の方は、経歴も、人間としても、素晴らしい方には間違いないんだろう、ということを前置きとして書いておく。

「しつけは徹底」という言葉に、私の体がとても拒否反応をしめして、怖い!と震えてしまったので、その感覚を無視することが出来ず、講師の方のことをネットで少し調べてみた。それで得た情報から、なんとなくどんなことを話されるのかは想像がついた。

子供を褒めること、がんばれ!と励ますこと。家庭でのしつけの徹底。返事は「はい」、挨拶徹底、履物を揃えること。

しつけの徹底における、3つの要素に関しては、私も、それは大切なことであるし、出来たらいいよね、と思っていること。但し、違和感を感じるのは、徹底、というワード。徹底とは、どんな状況であれ妥協を許さず、それを強いる感じがする。どんなに素晴らしいことも、状況状態によって、強いるべきじゃない時がある、と私は思う。

しつけを徹底することが、親と子供の間の溝を深く深くすることになりそうな気がする。その溝がほぼなかったり、浅い場合、即ち親子関係が良好な場合は、いいのだけれども、そうでない場合、そのしつけの徹底は溝を深く深く掘り下げていく気がする。

子供の気持ちが不安定で、イライラしている時、親に対して不満を抱いている時なんかは得にしつけ、については一旦忘れた方がいいと思う。親の問いかけに返事をしなくても、履物が揃っていなくても、ただ、台風が過ぎ去るのを待つように、黙って見守る。黙って履物を揃えて、待つ。そうすると、台風一過で素晴らしい天気に恵まれる。そんな日々を過ごしているから、余計にそう感じる。

「私は太陽」と、呪文のように唱えるようになった、あのハスちゃんとの険悪ムードの日から一転、今は、穏やかで、さわやかな木漏れ日を楽しむような状態となっている。ダメなことはダメ、絶対。ハスちゃんがどんな状況にいても、法と健康を守らないことは断固として許さない。けれども、それ以外のことは、太陽のように、見守りたい。たとえ、ハスちゃんが最悪の状態の時に法を犯してしまっても、伝えるべきことを伝えた後は、太陽のように、光を照らし続けるんだ、と心に決めている。

だから、しつけは徹底、というワード、とても違和感で、本当にそれが主題なのであれば、怖いなぁと。しつけは徹底するけど、の後に何かあるのならいいのだけど。但し書きとか。

子供を褒めること、がんばれ!と励ます、 に関しては、状況如何ではなく、私はやらないな。褒めかたは十分注意が必要だし、がんばれ、に関してはNGワードくらいの扱いにしている。がんばれ!は、自分に対して言う言葉。他人に言われる言葉ではない。がんばれは、言う人の期待とか願望をかなり乗せていて重い言葉だと感じる。がんばるかどうかを決めるのは自分でしかない、人がどうこういう話ではない。

我が家では、がんばれ!という言葉は使わない。言うなら、「あなたのできることをやるだけ、最善をつくしてみて」かな。もっといい言葉、探し中。

追記:この講師の方、ヤンチャな子達を厳しく優しく指導してくれる、ザ、金八先生という方らしい。愛があってのしつけ、で、受け入れられるんでしょうね。そうなのであれば、演題、ちょっと変えた方が、良い気がする。時代に合わせて、というか、講師の本当の魅力を伝えるために、というか。

見たまま、を書くだけ

今朝ハスちゃんが、「教育実習に来てる先生がね、嫌いなものが多いみたいで、給食で昆布とか野菜とか、ハスちゃん食べる?ってくれるの」と言った。ハスちゃんは今年度の始まり、新しいクラスになって、保健室から教室に行ってみようか、いけるかな、という状態だったから、担任の先生の配慮で、一番後ろの席。教育実習の先生は、教室の後ろに座っていることが多く、ハスちゃんは仲良くなったらしい。

給食を、教室で食べるようになったハスちゃん。授業はほぼ教室で受けるようになっていたけど、給食はなぜか保健室で食べていた。教室は女子のグループが出来上がっていて、それに入れず、女子嫌だ、と言っていた。給食時間は、保健室でリラックスしていたんだろう。それが、この1週間くらい、教室で食べるようになったらしい。少しずつ話せる子が増えて、教室にいたい、と思えるようになったんだろうね。初めは保健室の先生に「今日は教室で食べます」と言いに来たらしいけど、今では何も言わず教室で食べてます、とのことで。

教室で給食食べてるのかぁ、よかったなぁ、よかったねぇ、とハスちゃんから教育実習の先生の偏食ぶりの話を聞きながら、幸せに浸った。そして、給食を教室で食べていることをこんなに幸せに感じている事、を幸せだと思った。些細な事、ちいさな、でも大きなハスちゃんの日々の変化が、嬉しい。これも、苦しいことを経験しての、今、だからだな。

その教育実習の先生は専門が美術で、ハスちゃんがよく絵を描いているのも気づいて、話しかけてくれるらしい。

ハスちゃんは絵が上手だ。美術の時間に、写生をしていて、クラスメートに上手だね、どうやったらそんな風に描けるの?とすごい聞かれるんだぁ、とちょっと不思議そうに言う。で、ハスちゃんは、「見たまま、を書くだけよ」と答えたらしい。そうなんだよ、そうだよね、と苦笑した。天才の発言だわ。

ミスターベースボール、長嶋さんが、どうやったらそんなに打てるんですか?と質問されて、「ボールが来るでしょう?そしたらバットで打ち返すだけです」みたいな発言をされたという逸話があった気がする。そんな感じだよね。

天才だ。

「傲慢」を考えたある夜の話。

カメちゃんが、今日公園にハスちゃんと同じ学校の子で、髪染めてた子がいた、と夕食時に言った。ハスちゃんが、何色?と聞いて、カメちゃんは、ピンクが所々はいってて、ピンク、黒、ピンク、黒って感じ、と答えて、私が、メッシュでピンクを入れてるんだね、と答えた。そしたらハスちゃんが、「そんな子おらん、絶対おらん!」と言い切った。カメちゃんは、だって学校名も聞いたし、とか色々言っていたけど、私はそのハスちゃんの発言にカチンときて、「何でおらん、と言い切れるん?あなたが把握していない子もいるでしょう」と言った。

だって、ハスちゃんの学校は、小中一貫校、各学年2クラス~3クラスある。全員の髪、見たことある?ないでしょう。ありえないでしょう。なのに何でそんなにカメちゃんの発言を全否定するのか、めちゃめちゃ腹立った。

ハスちゃんは、私に負けず「だって、運動会の日も全校見てたし、始業式とかそういうときもオンラインで全員見れるし」とか言う。運動会なんて、保護者が自分の子がどこにいるか探すのが難しい状態で、しかもメッシュ入れてる子探せ!って指令出てるわけじゃないのに、全員の髪チェックしてるわけないし。始業式とかをオンラインで見てなんで全員の髪の状態がわかるのよ、とまた腹が立つ私。

でも、押さえて、押さえて、冷静に、「カメちゃんが自分の目で見て、話してハスちゃんと同じ学校ってことも聞いてるんだから、いるんだよ、そういう子が。そんな子絶対いない、なんて言わないで。そんな子見たことない、くらいに収めておいてください」と伝えた。

私は、人の発言を全否定する、ハスちゃんが本当に嫌だと思って、なんて傲慢な子なんだろう、とすごく腹が立った。腹が立ちすぎて、予定していなかった夜のウォーキングに出かけた。歩いていると、ハスちゃんのことを傲慢だ、傲慢だ、とぷんぷん怒っている自分も、傲慢?と思ってきて。ハスちゃんがやりたくないって言うのに、これはやるの!と言って毎日一緒にやっている英語の勉強も、私はハスちゃんの為、と思っているけど、これも傲慢、なのか。とか。

自分も結構傲慢、なのだ、というところにたどり着いて、ハスちゃんへの怒りが静まり、良かった。ハスちゃんはまだ13歳。多少の傲慢さ、仕方がないよ、とやさしい気持ちで帰宅。よし、お風呂入ろう!と思ったらお風呂にお湯が入ってない!

ウォーキングして帰ったらすぐお風呂に入ろうと思って、カメちゃんにタイマー渡してお湯入れる仕事をお願いして行ったのに。。。まぁ、腹立ってしょうがなくて、「カメちゃん、お願いしたこと、ちゃんとやっておいてよ!!!」と怒ってしまった。怒りながら、蓮の花に座った仏様が、「おぬし、まだまだじゃのう」と苦笑しているイメージが浮かんだ。

ウォーキング後すぐに風呂に入るという希望が叶わず、子を怒るなんて、傲慢だ。

まだまだ、です。