天才大魔王

「俺、天才大魔王って呼ばれてる」とカメちゃんが言った。凄いネーミングだ。

カメちゃんが朝食の席で、ブロックアワーの学ぶべき項目が火曜日にしてかなり進んでいて、自分がクラスで一番早い、と自慢げに話している。それを聞いたハスちゃん、いつもの反応だけど、「中学校に入ったら勉強難しくなって痛い目みるよ」みたいな発言をする。

ハスちゃんにとっては、カメちゃんは2つ下の弟。色んな意味でかなり強いハスちゃんにとっては、しもべだったカメちゃん。最近はカメちゃんの能力がハスちゃんを上回ることが出てきて、親としては感慨深いのだけど、絶対王者であった姉としては面白くないのだろう。カメちゃんの自慢話はスパッと切るハスちゃんです。

算数で、わからなかった項目を、同級生のGくんに教えてもらって分かるようになって、単元テストは満点だった!と。カメちゃんにはイエナプランの学びのスタイルがとても合っていると感じる。同級生と学び、教え合い、本当に力になっていると思う。学びが早いだけでなく、しっかりクオリティーもあるみたいで、感心感心。よっ!天才大魔王!

今担任の先生は一人で三学年をみているのだから、自分の課題が終わったら、つまづいているお友達に教えてあげたりしたら先生が助かるんじゃない?と言ったら、「俺がインストラクションやろうかな」みたいな事を言っていた。自分がわかる、のと、人にわかりやすく説明する、のとでは違うからね。そこ、を感じてくれたらいいし、カメちゃんが先生をサポートできたら、それはそれは嬉しい。

メロン!

カメちゃんが朝、テーブルに座って「メロン!メロン!」と言っている。ちょっと「?」とその発言を聞いていて思い出した。そうだ、今朝は朝ごはんのフルーツでメロンを出すんだ!よかった思い出して。

「カメちゃん、今日の朝メロン食べるよ」と言って気が付いた。カメちゃんは、テーブルの上に追熟の為にずっと置いてあったメロンが無くなっていることに気づいたんだ。冷蔵庫で冷やしている。よく見てるなぁ、と感心。

「カメちゃん、メロンなくなってるの気づいたんだ」と言うと、「観察力あるから」と言った。

確かに、観察力はある。しかも大好きなメロンのことだから、なおさらよく見ている。なんだか、観察力があるキャラ、だとカメちゃんが思い込んでいることに、しめしめ、となった。

偉人がどう育てられたか、という本を読んだ時に、吃音で、うまく話せなかった息子に対し、お前は頭の回転が速すぎて言葉がついていかないだけだよ、と話した母親の話に関心して。それで、朝の支度が遅いカメちゃん、ぼーっとストーブの火をみつめているカメちゃんに対し、早く着替えなさい!と言いたいのを我慢して、カメちゃんは観察力があるねぇ、と言ったあの日。笑

もともと観察力はあったのかもしれないけど、その力が自分にはあると思い込むことでかどうかわからないけど、今年カメちゃんは我が家の庭でハチの巣を3つ発見した。俺の観察力はすごい!と豪語するカメちゃん。

これは面白い。なんでもいい方に解釈して、そう思い込ませることで、とってもいい感じに自分をコントロールできそう。

インディアン色

5年ほど乗ってきたタントちゃん、11万キロ走り、車検が迫ってきたので、車を買い替えた。乗ってきた車には愛着がわく。ありがとう、ありがとう、いろんなところに連れて行ってくれてありがとう、楽しかったね、と、お別れをした。

新しい車はハスラーくん。ちゃん、じゃなくて、くん、な感じ。朱色で色がとっても好き。ハスちゃん、という名前にしようか、と思ったけど、それは、うちの長女と被るなぁ、と思っていた。そんな時、朝カメちゃんを車で送る時に、車庫に近づいたところでカメちゃんが「インディアン色の車」と言った。インディアン色?と問い返したけど、カメちゃんの答えを待たず、本当、インディアン色!と思った。

インディアン色、イメージは、はっきりとしたパキっとした色で、かっこよくもあり深みのある感じ。カメちゃんがどういう思いでそう言ったかはわからないけど、その瞬間、この新しい車を”インディアン”と命名した。うん、なかなかいい。

カメちゃんは、こういう狙っていないところで素敵なセンスを発揮する。狙っていない時に。

折り紙ブーム再来

カメちゃんは配布されたchromeブックを持ち帰らず学校に置いている。スマホはもちろん持っていないので、帰宅後はテレビ以外の電子メディアを触ることはないようにしている。よく、親のスマホを子供が使っているけど、家ではまず私の携帯を子供に触らせることは無い。

ー昨日カメちゃんは、夕食後おふろに入って、歯磨きして、もう寝る準備ができたのがいつもよりも早い時間だった。世界一よく飛ぶ紙飛行機を作りたいとカメちゃんが言って、動画で調べて欲しいと言われ、いつもはしないけど、ま、今日はいっか、という気になり、世界一よく飛ぶ紙飛行機を検索し、見せてやった。動画を見ながらその飛行機を作っていた。

紙飛行機を作ることはいいのだけど、動画を見て作る、っていうところが、あまり好きじゃない。私淑する個人塾を主宰されている方が、”動画はわかりやすくてよくない”と言われていて、目から鱗。そうだ、そこだ!大きく頷いた。わかりづらい紙面の手順を見ながら、あーだこーだ試行錯誤するのが大切なんだよね、子供にとっては。

動画を見ながら作ったかっこいい紙飛行機を、もちろん学校に持参し、おそらく、ドヤ顔で飛ばし、また紙飛行機ブームが来てしまった。昨夜も予想通り、また動画見せて、紙飛行機作りたい、と言う。いや、もう見せないよ。動画は見ないで作って。何か見たいなら本を借りようと言った。内心、動画みせてもいいかなーと迷いつつ。

そうしたら、1年前に買った私にとっては超絶難しい作品が載っている折り紙の本を久しぶりに取り出し、超絶難しいウサギを作り始めていた。もう、寝る直前まで、布団の中にまで本と折り紙を持ち込み、ウサギを折っていた。そのウサギの作り方、複雑で難解で、その作り方手順を見たらぞわーっと鳥肌がたつような感じ。こんな作品に挑むエネルギーがカメちゃんにはある。素晴らしい。

すごく迷いながら、動画は見せないって言ったけど、内心見せたやろうかな、とも思ったけど、やっぱり、見せなくてよかった。あぁ、耐えてよかった、と思った夜でした。

自由に遊ぶ

不登校の子供が増え続けることが報道され続ける近年、もう100年前から変わらない学校、ぐしゃっと潰れて、新たな価値観で創造し直すしかないんじゃない?と思い続けていて。今の普通の公立小中学校には不信感や疑問が多いのだけれども、でも、でもでも、学校の先生達も大変だよなぁ、と心から思う。

何が大変って、私が幼いころにはなかったスマホがもう当たり前のように生まれた時から傍にある今、多くの親がスマホやタブレットを赤ちゃんに見せて子育てする今、そんな育て方をしていたら、子供の正常な思考力が育つはずがないと思うわけで。

スマホやタブレットでどんどん知識は蓄えるけど、ただの知識。あーだこーだ試行錯誤して自分の頭でこねくり回して考える、失敗して、失敗して、成功して、また失敗して、みたいな実体験。五感を使った活動からしか得られない本物の知識、というか、知識と体験を融合させていくこと、みたいなことが、極端に少ない子どもたち。

そんな子供達相手に授業しても、色々教えても、理解力低いだろうし、そりゃ応用問題にが手というか、応用問題に拒否反応を示す子が増えるのは当たり前のような気がして、先生としては、苦しいだろう。

公園も禁止事項が多くて自由に子どもが遊ぶことが難しい時代。昨日は山を持っている友人の私有地でのびのびと、それこそ本当に自由に遊び尽くした。何やってもいい。ケガしたら自分の責任。そう思える大人だけで集う場は心地よい。

高い木に登って「ママー」と手を振るカメちゃん。そんな高いところまで登ったら、公園とかでは危ない!と注意される。木登りすらやらせてもらえない子供達。多少危ないことを子供時代にやってないとなぁ、と私は思う。

カメちゃん運動会 こぼれ話

カメちゃんと去年一緒のチームだった現在2年生の男の子が、今年はカメちゃんとチーム離れてしまい、嘆き悲しんでいるとお母さんから聞いて、うれしいなぁ、と思った。その2年生は相当やんちゃなタイプで、そりゃカメちゃんみたいなお兄さん、好きだよな、と思う。

その2年生の子が、「今年はカメちゃんと違うチームだから優勝できない!」と言っているとお母さんから聞いて、笑ってしまった。去年カメちゃんと同じチームだった時、優勝してないし、カメちゃんのチームが優勝するかわからないよーと伝えた。

何でも、カメちゃん団長は、自分のチームの前で「俺が優勝させてやる!」と豪語したらしい。それを多分他のチームにも聞こえるように言っているんだろう。それを聞いた子達が、優勝はカメちゃんのチームだ、と勝手に思い込んでいたみたい。

すごいなぁ、カメちゃん。結果はついてこなかったけど。その気持ちの強さがね。

運動会で、育てたヒマワリを使って高学年が作成したハーバリウムの販売があった。カメちゃんが作ったハーバリウム、買おうと思って見に行ったけど、素敵じゃなさ過ぎて買わなかった。でーっかい巨大なハチミツの瓶にヒマワリの花丸々2つ沈んでいて、15センチくらいの銀色のリボンがボン!と入っていて、保存液?に着色しているから薄ピンク色の液体になっていて、ヒマワリも見えにくいし。瓶の3分の2は液体しか入ってないし。瓶が大きいから材料費がかさんで一番高い(800円)し。

ハスちゃんは「これ誰も買わないだろうから、買わなくても売れ残ってカメちゃんが持ち帰るよ」と言っていた。笑 運動会終わって知人とおしゃべりしていたら、ハーバリウム販売担当の男の子が数人近寄ってきて、「カメちゃんが作ったハーバリウムが売れ残っているんですが、買ってもらえませんか?」と言われて。

最後の2つ。一つがカメちゃんの。仕方がないから、買ったよぉ。買ったハーバリウム持ってたら、知人に「あらおいしそう、何それ?」と言われた。確かに、ハーバリウムというより、ひまわり酒、とか酵素ジュースの素に見える。

カメちゃん、ハーバリウム作りのセンスは今んとこ無いみたいだ。

カメちゃん小学校最後の運動会

運動会当日、カメちゃんは 八面六臂の働きで大活躍!

進化し続ける運動会。例年通り、は全くなくて、まず各チームの入場から違った。今年は1チームずつ入場し、パフォーマンス。6チーム中5チームはwe will rock youや、マツケンサンバなど音楽を流しながら踊って歌う、というパフォーマンスだったけど、カメちゃんのチームは面白い趣向だった。

まず団長のカメちゃん一人が校庭の真ん中に走って出てきて、「みんな!聞いてくれ!」と叫び、団員が「何?」と返し、台詞だけでパフォーマンスをした。このカメちゃんの「みんな!聞いてくれ!」が低学年の児童の間でかなり真似されていたらしく、面白かった。

騎馬に乗って、お城に模した箱を崩す競技では、騎馬を保護者有志が作った。練習なしでぶっつけ本番の保護者はどう動いていいかわからず、騎馬の準備に手間取ってなかなかスタート出来ない組もあった。そんな中、カメちゃんのチームは、カメちゃんが色々指示をして大人を配置してて、一緒に観戦していた母が「カメちゃん大人に命令しよるよ、すごいね」と。本当、やるわ、カメちゃん。

大将として騎馬に乗り、アンカーを務めたカメちゃん。3チーム中びりでスタートしたけど、見事一撃で城を倒し、2番でゴール!ヒーロー気取りの大げさなアクションでのゴール風景は、笑ってしまうほど。

娯楽競技のパン食い競争も、他の子に半周差つけてのぶっちぎり1位!あまりにも他の子がゴールしないから、ゴール地点で、ゴールしそうでしない、というパフォーマンスをしばらくやっていた。実況アナウンスの保育園児に「面白いおにいちゃんですね」と言われてて爆笑。

とにかくカメちゃんは躍動した。なのに、チームは4位?5位?で成績パッとしなかった。カメちゃん一人が楽しそうで大活躍。どういうこと。。。?カメちゃんは、チームリーダには向いていないのかもしれない。

運動会への道

カメちゃんの小学校の運動会は子供が作り、運営する。縦割りされた児童が6つのチームに分かれ、 各チームが考えた競技で競う。子供が考案する競技、やってみたら上手くいかない、修正する、の繰り返し。競技としては面白いけれど、得点の集計が大変すぎて再考となった競技もあったみたい。

カメちゃんは黄色チームの団長だった。チームが結成された5月から、足が速い、運動神経がいい子が揃っている、と優勝間違いない!と豪語していた。「足が速くて勝てるのはリレーくらいじゃない?運も重要な競技が多いし」と言っても、いや、足が速くて運動神経がいい子が多いのは強いよ!と言っていた。

リハーサルでは、黄色チーム4位だったらしい。あれ?あんなに優勝間違いない!と豪語してた割には成績よくないじゃない?と言ったら、あーだこーだ言ってたけど。

さて、当日元気にみんな参加できますように。雨がふりそうな予報。それは祈りのパワーで吹き飛ばそう!

余白だらけの毎日

カメちゃんが、担任の先生が最近怒りっぽい。そんなことでそんなに怒る?って感じなんだ、と話してくれた。異学年で構成されるクラスを2人で受け持つのがあるべき姿なんだけど、1人先生が1学期でいなくなってしまって、今担任が1人の状態。そりゃ、先生大変だよな、と大人としては思う。

同じクラスの仲良くしている母親から、担任の先生体調悪いのかな?とLINE。息子が大したことないことで激怒されて、そんなに余裕がない大変な感じなのかな、と。

高学年、4~6年生がいるクラスを一人で担当するのは、無理があるだろう。素人の一保護者でもわかる。それに加えて修学旅行だの、運動会だの、ビックイベントもあるし、いろんな問題への対応。そりゃ大変すぎる。

人間、余裕、が大切だ。余裕がある時は、トラブルも落ち着いて対応できるし、怒りみたいな感情も、押さえられる。余裕なくてイライラしている状態だと、もう、全然ダメ。すぐ怒っちゃう。

ハスちゃんが小学校入学する前から、私はフリーランスとして働くことを選んだ。稼ぎは少ないけど、仕事を増やそうともしていない。ハスちゃんが、学校行きたくないと言った時に、休んでいいよ、と心から行ってあげられる状態を作っておきたかった。

ハスちゃんが、普通に登校している時、私にはたくさん自由時間がある。家事して仕事して余った時間が自由時間。余白だらけの毎日。その余白は、不思議な事に毎日いろんなことで埋まって、暇、ということはない。

こんなイベントあるんだけど、お手伝いしてくれない?という声掛けなどにも、楽しそうと思ったらやります!と答えられる。時間はあるから。何かやりたいと思うことを、仲間に声かけてやってみることもある。時間があるから。

カメちゃんの担任の先生が余裕なくてパツパツで、児童との毎日を楽しめていないなら、何か役に立ちたいなと思う。保護者として何かできないだろうか。先生に余裕を与えてあげられないだろうか。私の時間を使って、それが出来たらとても嬉しいのだけど。

公園で友人と

今朝、カメちゃんに「今日放課後遊べる?」と聞かれた。えっと、どうだっけ、遊べるんだっけ、と少し考えてしまった。そんな質問されたの初めてじゃないかな、だから、今日放課後予定あったかな、と考えてしまった。でもない。予定ない。だから、「遊べるよ、何でそんな質問したの?初めてじゃない?」と言ったら、「だね」とカメちゃんも不思議そうだった。

カメちゃんが放課後遊ぶ公園は、ハスちゃんの通学路の途中にある。一昨日の夕方、カメちゃんを迎えに行く前に郵便局へ行く為に公園前を通ったら、カメちゃん達小学校高学年男子に交じって、ハスちゃんが遊んでいてびっくりした。ボールを投げ合って、ドッチボール?みたいなことをしていた。奄美では子供が少ないから、男女一緒に遊ぶことも多かったけど、ここではそんな風景みないから、驚いて、嬉しくて、なつかしかった。

昨日は、カメちゃんが「ハスちゃん放課後公園にきて、友達何人かで遊んでたね」とハスちゃんに言ってて、それ聞いて嬉しかったなぁ。放課後お友達と公園で過ごす、という普通のことを、やっとし始めたハスちゃん。こんな日が来るなんてね。