なんでそうなるの、の後

ハスちゃんの汚いプリントを見ながら、期限を守ること、プリントがこんなに汚いのは気持ちが悪い、字がぐちゃぐちゃなのは、先生にも失礼、など色々話、「じいじ、ばあば、がこれ見たら、泣くよ」と言った。そしたら「書き直してくる」とハスちゃんがプリントを持って2階へ行った。

モヤモヤしたまま風呂に入って出ると、ハスちゃんが丁寧に書き直したプリントを持ってきた。内容まで変わっている。びっくりした、ここまで綺麗に書き直すなんて。ちょっとひらがなを漢字に直すくらいかと思ったら。笑顔でグッドサインを送った。

ハスちゃんには、「じいじ、ばぁばが悲しむ」というワードが一番響く様だ。二人は模範国民のような人で、まじめに質素に日々を暮らしていて、惜しみない愛情を、無償の愛を孫であるハスちゃんとカメちゃんに注いでくれている。ただgive give giveしてくれている存在。そんな存在は、大きいのだ、と感じている。

なんでそうなるの?

普通、とか、当たり前、とか言うのはあんまり好きじゃない。それぞれ各人の普通は違うし、世の中の当たり前がみんなの正解ではない、そう、そう思う。けれども、ハスちゃんは私にとってどうしてそうなの?と辟易してしまう。口うるさく注意してしまうことが多い。

忘れ物が多い、というのはまぁ、私もそうだから仕方がないかな、とは思うけど、新学期1日目は安定のシューズ忘れ。水筒を持っていくのも持ち帰るのも忘れる。6限目が体育だったから体操服で帰ってきて、制服一式を忘れて帰る。ため息がでる。

中2の3学期がきていよいよ高校受験の陰がちらついてきた。冬休み前の三者懇談で、どんな高校があるのかリサーチして、気になった高校を書くというプリントがあり、保護者コメントも書く欄があります、と説明された。

新学期、帰宅したハスちゃんが「高校の紙、保護者のコメントがいるんだって、よろしく」と言う。その翌朝起きてきて、真っ白い紙を渡されて、コメント書いて、と言う。いや、あなたがどんな高校を書いてるのかわからんまま何のコメントが書けるのよ、あのプリントは?と聞くと、無い、学校に忘れた、と言う。もう呆れてしまう。

新学期2日目、プリントを持ち帰って私の机の上に置いてあったのだけど、その状態に慄く。しわ皺で、しかも一部破れている。ハスちゃん曰く、濡れて破れたらしい。その汚いプリントの表には、1月9日期限を必ず守ること、というのと、丁寧な字で記入すること、と大きく大きく太字で協調されていた。本日1月11日、期限守れていない。しかも、丁寧な字で、と書いていあることへの挑戦なの?というくらい、汚い字。

上手、下手、じゃなくて、丁寧ではない、殴り書きのような字。ほぼひらがな、そしてところ所口語体。がっかり。がっかりしかない。

なんでそうなるの?

常々、義務教育は中学まで、高校は行かなくていい、と言ってきたけど、本格的にこの子は学校に向いていない子だと思う。

ハスちゃんいい感じ

2024年1月6日、ハスちゃんがお友達と遊んだ。お休みの日に約束してお友達がうちに来た。勉強会、だそうだ。こんな普通のことが、心から嬉しいと思えるなんて、過去の悲しい出来事のおかげだと言える。

クリスマスの日から、実家に帰省していたから、年末お友達からカラオケ行こうとか、遊ぼうというお誘いを断るしかなかった。そして晴れて1月6日に、お友達が遊びに来るという日を迎えて。あぁ、嬉しいねぇ。来てくれたお友達と冬休みの課題をしながら、ものすごい量のお菓子を食べまくっていた。

ハスちゃんは中学校で知っている人が一人もいない学校に転校し、いじめに合い、苦しんだ。2年生になってクラス替えになっても、また他の子とうまくいかなかった。私は中学時代をあきらめた。楽しまなくてもいい。粛々と日々を過ごす、それでいいと思った。早寝早起き、適度な運動、それさえしていれば、もうあとは望まない。そんな風に生活していたら、ハスちゃんは自分の力で立ち直り、今はなんだか楽しそうだ。

2年生の1学期に嫌がらせをされた子が、2学期学校に来なくなった。そのおかげでハスちゃんは学校が楽しくなった。複雑な心境だったけど、昨日ハスちゃんから、その子はいわゆるネグレクトという状態だったらしいと聞いた。どうりで人に意地悪するわけだ。ハスちゃんも、「なんかあるとは思ったんだけど」と言っていた。あの経験は苦しかったかもしれない、けれどもその子も辛い日々を送っていたからなんだね、もう水に流せるね、と話した。

2024年はじまり

2学期最後のカメちゃんの懇談、通知表はないから、児童が2学期がんばったことなどを発表するスタイルで行われた。

こんなことを頑張って、こう感じて、こう成長したんだ、みたいなのを期待しているけど、カメちゃんのプレゼンは違った。期末テストを見ながら、これはこうでね、だからこうなんだよ、って問題と解答について解説する。社会ノートを頑張ってまとめたのを見せながら、秀吉はね、なんて延々話してる。何度ツッコミそうになったか。

「別に歴史をあなたに教えてもらわなくても」と思った。貴重なこの時間、私カメちゃんの講義を受けたいわけじゃないんだけど、と思っていたら、先生が「カメちゃんがいいな、すごいな、と思うのは、みんなノートに情報をまとめる時、chromeブックの情報を書いてそれだけ、終わりになりがちだけど、カメちゃんはしっかり理解して自分のもとにしてるんですよね」と言った。そうか、こんなに私に説明できるほど理解してるってことなんだな、とさっきまでちょっとイライラしていた自分を落ち着かせた。

お友達の母が、宿題終わらないから遊べない、と言うから、そんな宿題あった?とか言いながら余裕ぶっこいてたら、そういえば自主学習5ページというのがあったのを思い出して慌てた!冬休み最終日に図書館に行ってネタを探し、「いいのがない~」と言うカメちゃんに「いい悪いじゃない、もうなんか書いたらいいじゃない」と最悪なコメントしたなぁ。

モヤモヤの正体

ハスちゃんの成績について感じたモヤモヤ、この感情に向き合った1日ちょっと。もうすっきりしている。このモヤモヤの正体は正直、向き合いたくない類の感情だった。親として、人間としての未熟さ、だと感じたから。

モヤモヤしたのは、ハスちゃんはすごい思考力があって、頭の回転が速く、クリエイティブで、学校でもいい成績を取れるに違いない、と思っていたのを裏切られたような気分になったから。私自身は大して勉強しなくても中学時代まではいい成績とってたのに、なぜこの子は?という意味のない比較。通知表頂くときに、いい成績をみて、うちの子できるんです!と鼻高々になりたい親としての虚栄心。そんなとこかな。

ずっと見たかった「さかなの子」をアマゾンプライムで観た。このタイミングでこれ、だ。さかなが大好きでさかな博士になる夢をもつさかなくん。本当は魚苦手なのに、温かく見守りつづける母。成績が悪いさかなくんに、先生がもうちょっと家で頑張らせてください、と言う。母は「成績が悪い子がいてもいいでしょう?」とさかなくんを擁護する。母の鏡だ。素敵な母と客観的には思うけど、わが事になると、なかなか出来ないことだ。

こんなダメな私に対して、ハスちゃんは昨日も変わらずハスちゃんでいた。マイペースで穏やか。子育ては親育て、本当に、ハスちゃんとカメちゃんに私は成長させて頂いているな、と心から思った。

モヤモヤ

2学期ハスちゃんの通知表を受け取り、とってもモヤモヤしている。わかってはいるけど、全然勉強しないから、テストの点がさえない。平均点取れてない教科もある。びっくりする。

何がびっくりって、とても賢い子、だから、こんな成績?とびっくりする。やればできるのに、やっていない、ほど、悲しいことはないかな。できない、やってもダメ、なら仕方がないと思えるのに。

私自身が、何の苦労もなく学校ではいい成績をとっていて、高校は進学校へ。私がどんぐり問題に取り組むハスちゃんを観察していて、3年生くらいで私を抜いたな、と思った。6年生の時には、難関中学の入試問題をどんぐり風にアレンジされた問題をノーヒントで解いていた。

そんなハスちゃんが、普通の一般的な公立中学で、こんな成績?と本当に不思議で、モヤモヤする。勉強するしないは本人の意思に任せようと思っている。言われてやっても意味ないと思うから。それにしても、この成績は。。。なんというか、持ってるポテンシャルを全く活かしてないというか、モヤモヤする。

テストで平均点とれなくても得に何も感じないみたいで。挽回しよう、できるようになろう、とかそんな感じがない。不思議だ。この子は一体どんな人生を歩むんだろう。

勉強が嫌い、やりたくないなら、もう高校進学がしなくていいけど、中卒でどうするのか、リサーチしなさいね、と伝えた。

モヤモヤする。そんな自分にモヤモヤする。

ハスちゃんのカレーライス

ハスちゃんが修学旅行で見学してきた学校、専門学校になるのかな、アート系の学校を気に入って、中学卒業したら行きたいと興奮気味に話してくれた。昨年から中学卒業したら入れる高等課程もできたようで。

ハスちゃんには悪いけど、行かせられないと話した。まずは学費。年間授業料が160万はかかる。おそらくそれ以上かかるだろう。それ+寮費、生活費。それを高校の3年間。そしてその後は大学?費用面だけでも難しいかな。費用はなんとかなるとしても、中学卒業してすぐ、遠方に出すというのがしっくりこない。車で数時間で駆け付けられる距離ならまだしも。

ハスちゃんは残念そうだった、けれどもこれを機に、自活への準備という機運ができた。これまでも色々と家事は手伝ってもらってきたけど、今後は自活に向け、料理もしっかりやっていってもらおう。

土曜日は、カメちゃんがお友達と近所の遊園地へ遊びに行き、私が夕方迎えに行く間に、ハスちゃんにカレーライスを作ってもらった。遊園地でイルミネーションを楽しみ帰宅したら、カレーがすぐに食べられて幸せだった。ハスちゃんも、完全に一人で作ったよ!と誇らしげで。よかった。いい機会になった。

高校卒業する年になったら、ハスちゃんは東京へ行くのかもしれない。その時までに、安心して送り出せるように準備してゆこう。

反面教師

カメちゃんが仲良くしているR君のお母さんと、私も仲良くしている。というか、私の方がはじめ仲良くしていて、追ってカメちゃんもR君と仲良くなっていったんだ。

R君の母は、いつも朗らかで、人と関わることが好きで、どんな人に対しても分け隔てなくやさしくおおらか、そんな素敵な方。私がちょっと気になって嫌だなぁと思う事なども、R君の母はみんなそれぞれよね、みたいに全てを受け入れているように見えるかた。

週末、カメちゃんがR君の家で遊んでいて、迎えに行ったときの話。庭の大きな柿の木の上に、基地みたいな、デッキを作っていた。R君は子供だけで作ったんだよ!とものすごく誇らしそうに色々説明してくれた。

R君のおばあちゃんがクリスマスプレゼントを届けるために訪れた。ご挨拶をし、いつもありがとうございますとお礼を言われ、とてもちゃんとした方だなぁと感じた。おばあちゃんは、しきりに柿の木は弱いから登ると危ない、危ない、と言っていた。R君はおばあちゃんをあまり視界に入れないように、おばあちゃんと会話しないでいい様振舞っているように見えた。

後でR君の母と話したら「私の母とっても厳しくて、口うるさい人なの。うちに来たらすぐに掃除を初めて、Rも手伝いなさい、と掃除させられるからRは嫌なのよ」と聞いた。そんな母のもと、こんなおおらかな娘が育つのか、と疑問を口にしたら、反面教師かな、とR君母は言った。

ハスちゃんカメちゃんの子育てを14年やってきて、周りの親子を見てきて、気づきつつあったけど、どう育てても、子供の生まれ持った特性を変えることはできない、と心から感じた。本当に最低限必要な事だけビシッと伝えて、あとは子供を見ながら育てていくのがいいね。

ハスちゃん修学旅行

ハスちゃんが修学旅行へ行ってきた。入学してからこの中2の1学期の終わりまでは、修学旅行にはいかないだろう、いけないだろうと思っていたから、何が起こるかわからない。存分に満喫してきたようで何より。

この修学旅行で驚いたことがある。日常的に、学校にはスマホは持ってきてはいけないことになっている。けど、持っている子はみんな持ってきているとハスちゃんから聞いていた。

修学旅行にも、スマホは持参禁止、ということが、学校からプリントやメールで連絡が来ていた。きわめつけは親同伴の修学旅行説明会。修学旅行に関する説明を親を呼んでするのって、めずらしいねと、知人と話しながら参加。その中で、先生がひときわ厳しく強い口調でスマホを持ってこない様に、親の協力を求めた。親を集めて説明会をする意図、ここだなと思った。

子供にいくらスマホを持ってくるなと言っても持っていくだろう。だから親の協力を要請した。先生は、「修学旅行の日、子供さんがスマホを家に置き、はい、スマホ置いていくね、と確認するくらいのことをお願いします」と言った。うん、それくらいしないとスマホ不携帯は実行できないだろうな、と。

修学旅行が近づくにつれ、スマホを持っていくかどうかが子供達の中で大きな話題となっていたようだ。ハスちゃんは毎日あの子は持っていくって言ってた、とか、インスタで〇ちゃんがスマホ持っていくかどうかアンケートとってたらしい、とか報告してくる。で、事前情報では、持ってる子はみんな持っていく感じだわ、だった。その時点では、まさか、親がちゃんと止めるだろう、と思っていた。

蓋を開けてみたら、50人くらいの子がスマホを持参したことがバレて没収されたらしい。100人いる中2のなかで、80人くらいがスマホ持っていて、70人は持参し、うち50人がバレた、模様。

あれだけ親含め注意喚起をしての結果だ。親は何をしてるんだ。。。もう、親としての機能を果たしていないんだな。ハスちゃんは、「中学になったら、子供の方が親より強いんだよ。」と言った。おそろしい世の中だ。

ちなみに、ハスちゃんが2番目によく話す友人は、スマホ持っているけど持ってこなかったみたいで。そんな家庭、が少数派なのがびっくり。

数人ルール違反してスマホ持参、ではなく50人ほどが違反。スマホ没収して東京から持ち帰る先生、スマホ用のキャリーケースが必要だったね。先生に同情した。

完結Mの悲劇

昨日はカメちゃんもほぼいつも通りの元気を取り戻した様だった。先生が双方の気持ちを丁寧に聞き取り、直接2人が話す場は設けなかったけど、先生がお互いの気持ちを双方に伝えてくれて、お互い理解しあえたのかな。

昨日の放課後は、Mが校庭に遊びに来た!って。Mは塾だったり家でゲームでいつもは遊んでいたのに。よかった。カメちゃんに、よかったね!と言ったら、「うん、まぁ、M昨日は暇すぎたんじゃない?」と言う。いやぁ、暇な日なんて他にもあるだろうし、暇すぎてもカメちゃんを嫌いな状態ではカメちゃんがいると分かっている校庭に遊びに来ないでしょう、と私は嬉しい。

子供って柔軟で、みずみずしく、さわやかだ。雨降って地固まる、になったらいいな。

適当に付けたタイトルが全く合わない展開となってきた。ハッピーエンド。