節子小学校跡地で毎週第2土曜日に開催している草バー。12月14日はさとみさん肝入りの特別企画”鶏に感謝を捧げてさばいていただく会”でした。
11月の草バーでクリスマスといえばチキンという話から、さとみさんが発案。初め聞いた時は私はあまり気が乗らなかった。今まで目をそらしてきた現実。でも私はベジタリアンではないし、スーパーで鶏肉を購入して食べている。食べているのだから、これは背を向けてはいけないのだと自分に言い聞かせた。
節子小学校跡のロビンソンファームには自然豊かな環境の中暮している鶏たちがいて、必要な時に絞めて頂くことができる。スタッフの男性が、インストラクターとして指導もしてくれる。
私は少し離れた場所から見ることにした。見たくないと言うハスちゃんは、もう一生ないことだと思うからおいで、ともっと遠くから見守らせた。驚いたのはカメちゃんで、この企画の話をした時から「オレが鶏をつかまえたい!」と前のめり。鶏のすぐそば、最前線に最初から最後まで陣取っていた。
まだ生きている鶏を見た時、”この子の命をいただくんだ”とやはり罪悪感のような感情を持った。感謝するしかないと思った。そして参加メンバーみんなで鶏に感謝の黙とうを捧げた。
男性スタッフがここが胸肉、ここがササミと説明してくれる。スーパーで売っているものよりも断然小さい。「スーパーで売られている鶏肉は生後4週間以内の若鶏なんだけど、ホルモン剤やら栄養剤を投与してあんなに大きなお肉が取れる」と教わった。とても恐怖を感じた。
最前線にいる手羽先好きのカメちゃんが「あーここ僕が好きなところ!」と言った。1匹を捌いて、やっと手羽が2本とれる。スーパーに並んでいる手羽先の数を思うと、なんだか胸が痛くなった。
不思議だったけど、鶏を捌き始めてからは罪悪感のような感情は無くなった。感謝しながら丁寧に捌いて頂くことは、スーパーに並んでいる鶏肉を買うことよりも、全然自然に思えた。必要な時に最小限必要な命を感謝しながら頂くことは、当たり前のことだと思った。意外な気持ちで驚いた。
男性スタッフが、「やってみたい人?」と聞くたびに、「はい!」と一番に手を挙げるカメちゃんにも驚いた。なんかすごい子だなぁと。事実を事実と受けとめ、そこにあまり感情を介在させない。頼もしいというか、なんというか。ハスちゃんは、少し遠くから見学して、室内へ入って読書をしていた。
大人の鶏の肉は、とても硬い。だからスープにしました。茹でたお肉は弾力性がすごく、裂くのにものすごい力がいりました。あぁ、スーパーで売られている鶏たちは不自然極まりない環境で育っているんだなぁと考えた。
命をいただいて作ったスープでした鶏飯は、絶品でした。鶏さんありがとう。そして大切なことに気づかせてもらった、素晴らしい企画にも感謝。草ラボありがとう。