ハスちゃんの強さ

ハスちゃん、1か月ほど前にクラス内で気の合うMちゃんという存在が出現し、よく話すようになり、クラスに居場所を見つけた様で喜んでいた。学校を休みがちで家も近所で気さくなKちゃんもいるし安心だな、と思ってた。養護教諭も、急に学校にクラスに馴染んできて、自分を出せていてその変化に驚いていた、とのこと。

昨日ハスちゃんが学校から帰宅後、久しぶりに学校の様子をたくさん話してくれたんだけど、驚愕の内容だった。

話してて楽しいと思えるMちゃんと仲良くなれて、たくさん話しかけていた。Mちゃんととっても仲がいいNちゃんもハスちゃんがMちゃんと話していたら加わってきたりで話すことが多くなった。

最近は、Mちゃんと話していたら、Nちゃんが「あっち行こう」とどこかへ連れ去ってしまう。今日は、Mちゃんにハスちゃんが近づいたら、話してもないのに近づいただけでNちゃんは「あっち行こう」とグループのみんなを連れて逃げて行った。Kちゃんもそのグループにいて、逃げた。

Mちゃんは女子5人くらいで仲良いグループに属していて、Nちゃんは得にMちゃんといつも一緒の仲良し。Kちゃんもその仲間。もちろんグループLINEがあるみたい。

明日から2日間、ハスちゃんはKちゃんと2人で近所のホームセンターに職業体験に行く。そのことについて、Nちゃんが「KちゃんとLINEで話したんだけど、Kちゃん職業体験に行きたくないって言ってた」と言って、その周りにいたグループメンバーが、「なんで?ホームセンターが嫌?担当者が嫌?」などあらゆる質問をして、Nちゃんは「ううん」と首を振った。誰も口には出さなかったけど、ハスちゃんは、答えは「ハスちゃんと一緒だから」だと分かった、と。

Nちゃんは、ハスちゃんとKちゃんが仲良くしてほしくないから嘘を言ったかもしれない、もしくはNちゃんに忖度してKちゃんがそう言ったかもしれない、そして、本当にKちゃんがハスちゃんを嫌いな可能性もある。今の時点ではNちゃんが言ってただけで本当のことは分からない。ハスちゃんには、”自分で見て聞いたこと”1次情報だけを信じること、と伝えた。大切なことを伝えるきっかけができてよかった。

Mちゃんとは話したい、けど、話していたら漏れなくNちゃんがMちゃんを連れ去るのだそうだ。それが悲しい。だから、先週ハスちゃんはMちゃんに「もう、私から話しかけるのやめるね、でも嫌いになったわけじゃないからね」と伝えたらしい。こんな台詞、悲しい。切ない。

グループ内の2人だけと仲良くするハスちゃんの存在が、Nちゃんにとっては邪魔で脅威なんだろう。グループメンバーみんな入っているLINEグループに、ハスちゃんは入っていないし、グループメンバーとは認められない、だからメンバーの一人に近づいて話しかけるのはやめて欲しい、といったところだろうか。

ハスちゃんはスマホを持っていなくて、入りたくてもLINEグループには入れない。入りたくもない様だけど。それがよかった。ほっとする。LINEの会話なんて悪口のオンパレードだよ、関わらない方がいい。関わったら死にたくなるよ、多分、と言ったら、頷いていた。

ハスちゃんは、グループに属したいわけでなく、ただ自分が気が合うと思う子と話したいだけ、なんだけど、それすら叶わないなんて。悲しさ、苦しさ、やるせなさ、で胸がいっぱいになる。

ほとんど教室で過ごしていた時もあったけど、最近はまた、保健室に降りてくることが増えた、と養護教諭に聞いた。残念だね。

でも、1年前のいじめの時とは明らかに様子が違う。生気が抜け、学校もう嫌だ、と泣きながら訴えたハスちゃんとは違う。悲しいことがあった、Nちゃんが嫌い、もう女子が嫌だ、と言いながら、その言葉は力強いし、悲しいけどそんなことに屈しない感じがある。

辛いけど、これを糧に、磨かれて、成長して、もっと強くなるんだね。