わが子の成長に気づくことは難しい。久しぶりに会った人に、背伸びたねー、大きくなったねーと言われるハスちゃんカメちゃんを見て、そう?毎日見てると気づかないね、といつも答えている。見た目すら成長を感じられていないから、内面の成長もしかりなのだけど、先週、カメちゃんが成長している様子をとても感じられた。
参観日があった。イエナプラン教育校の参観日はとても楽しみだ。見てて楽しい。普通の学校の参観日は、退屈で、見てられない。そこに大切な何かがあると思うんだけど。
参観日の度、カメちゃんが前のめりに授業に参加していて、発言しすぎるくらい発言し、イキイキと学ぶ姿を見てきた。今回の参観日は、教室に入ってすぐ違和感を感じた。先生の周りをぐるりと児童が半円に囲んで座っているんだけど、カメちゃんは先生の方を向かないで、一番後ろ、に座っている。いつもと授業への姿勢が違う。カメちゃんの横に、あまり授業に参加しないタイプの子が座っていて、先生が話している間、ひたすらその子とふざけている。
カメちゃんの所に行って、話している先生の方におへそを向けて座ること、ふざけないこと、何度も言ってやろう!と思ったけど、思いとどまった。参観日くらい、良いかっこしようと思わないのか?とも思って。そんなカメちゃんを見るのはストレスだった。
帰りの車の中で、カメちゃんが「最近、先生が変なんだよ」と話し始めた。「前はカメちゃん、と呼んでくれていたのに、今はお前!って言う。怒りをぶつけてくるんだ」
それを聞いて、私は、カメちゃんの態度に理由があるんじゃない?と言った。きちんとしている児童に対して先生はお前なんて言わない。お前って言わせてるのはカメちゃんじゃない?と、参観日でイライラしたカメちゃんの授業態度のことにも言及した。そしたら、カメちゃんはあの態度は先生に痛い思いをさせるためにわざとやった、と言う。そこで私はカチンときて、あなたのあの態度がどう先生を痛い目に合わせるの?痛いのはあなたよ!と、カメちゃんと言いあった。「あなたのやったことは間違ってる!」と言うと、カメちゃんは悔しそうに泣いていた。
カメちゃんは、先生の自分に対する態度に不満を持っていて、そして参観日の時の先生の態度がいつもと違い過ぎることに腹を立てていたようだ。そこかぁ、と思った。そりゃ、先生だって、参観日、保護者が見ている前ではいつもとは色々違うよ、よそいきの自分を見せるよ、と話した。
家に着いて、カメちゃんは泣きながら自分の部屋へ駆けあがっていった。カメちゃんが先生に対してネガティブな感情を持ってしまっていること、その感情が、カメちゃんが成長中であるからこそのものであること、を感じて、その負の感情を出来るだけ和らげてあげたいな、と思い、学校に電話した。
先生も、参観日の授業でカメちゃんがいつもと違うな、とは感じたようだ。私が、先生が親の前でいつもとあまりにも態度が違うことに怒ってあんな態度を取ったようですと伝えると、「そうなんですかぁ~!」と驚いていらした。
参観日の日の午前中、ブロックアワーの課題を早々と終わらせていたカメちゃんが、chromeブックをずっと見続けていたことを先生は注意した。その注意のされ方がカメちゃんは気に入らなかったんだろう。でも、先生の意見は私も支持したい。せっかく課題が早く終わったなら、その余った時間を有益に使ってほしい。chromeブックでゲームしたり、なんて、やめて欲しい。ただ、カメちゃんは先生がお前って自分を呼ぶことを嫌だと思っているんだから、そこだけ先生にお願いした。先生は恐縮した様子で、今後気を付けますと言ってくれた。先生も、最近のカメちゃんの覚醒状態を喜んでいてくれて、「今、だからこそより丁寧な接し方を心がけますね」と言ってくれた。
正論こそ、丁寧な伝え方をしなければいけないな。
カメちゃんは、1時間くらいしたら復活した。泣いて、冷静になったのかな。ママごめんね、と抱きついてきた。こんな6年生男子、いる?かわいいやつだなぁ、と思った。私も、カメちゃんの気持ちを分かってあげられなくてごめんね、と言ったら、また泣いていた。
大人って状況次第で態度を変えること、(子供だってそうだけどね)、課題が早く終わった後どう時間を使うかを考える必要があること、嫌なことがあったときに対処法など、カメちゃんは学んで、また一段と成長したんだろう。
ぐんぐん成長中のカメちゃんを、まぶしく、見守ろう、と思います。