見たまま、を書くだけ

今朝ハスちゃんが、「教育実習に来てる先生がね、嫌いなものが多いみたいで、給食で昆布とか野菜とか、ハスちゃん食べる?ってくれるの」と言った。ハスちゃんは今年度の始まり、新しいクラスになって、保健室から教室に行ってみようか、いけるかな、という状態だったから、担任の先生の配慮で、一番後ろの席。教育実習の先生は、教室の後ろに座っていることが多く、ハスちゃんは仲良くなったらしい。

給食を、教室で食べるようになったハスちゃん。授業はほぼ教室で受けるようになっていたけど、給食はなぜか保健室で食べていた。教室は女子のグループが出来上がっていて、それに入れず、女子嫌だ、と言っていた。給食時間は、保健室でリラックスしていたんだろう。それが、この1週間くらい、教室で食べるようになったらしい。少しずつ話せる子が増えて、教室にいたい、と思えるようになったんだろうね。初めは保健室の先生に「今日は教室で食べます」と言いに来たらしいけど、今では何も言わず教室で食べてます、とのことで。

教室で給食食べてるのかぁ、よかったなぁ、よかったねぇ、とハスちゃんから教育実習の先生の偏食ぶりの話を聞きながら、幸せに浸った。そして、給食を教室で食べていることをこんなに幸せに感じている事、を幸せだと思った。些細な事、ちいさな、でも大きなハスちゃんの日々の変化が、嬉しい。これも、苦しいことを経験しての、今、だからだな。

その教育実習の先生は専門が美術で、ハスちゃんがよく絵を描いているのも気づいて、話しかけてくれるらしい。

ハスちゃんは絵が上手だ。美術の時間に、写生をしていて、クラスメートに上手だね、どうやったらそんな風に描けるの?とすごい聞かれるんだぁ、とちょっと不思議そうに言う。で、ハスちゃんは、「見たまま、を書くだけよ」と答えたらしい。そうなんだよ、そうだよね、と苦笑した。天才の発言だわ。

ミスターベースボール、長嶋さんが、どうやったらそんなに打てるんですか?と質問されて、「ボールが来るでしょう?そしたらバットで打ち返すだけです」みたいな発言をされたという逸話があった気がする。そんな感じだよね。

天才だ。