はだしのゲン

ルポ 誰が国語力を殺すのか  石井光太著 がすごかった。今年何冊も聞いたなかで断トツ震えた。もう少し、落ち着いてから、また書きたいと思う。けど、これを読んで、今公立の学校の状況がどんな感じか、ハスちゃんが何を感じたのか、が理解できた気がする。ありがたい。

『はだしのゲン』が、広島市の統一教材『ひろしま平和ノート』の小3と高1向けに使われていたけれど、小3は別の内容に、高1も大幅に縮小された、と報道された。

私は広島で生まれ育ち、はだしのゲンは身近に感じる漫画であり、あの悲惨さは、全小中学生が読むべきものだと思っていた。なぜ、はだしのゲンが使われなくなるの?と思ったら、理由はゲンが浪曲を歌って日銭を稼ぐ場面について、今の子に浪曲はなじまない。栄養不足の母のためにコイを盗む場面は、誤解を招くということらしく、愕然とした。

とにかく理由がいけない。理由に愕然とする。でも、先述のルポ誰が国語力を殺すのか、の内容を思い返すと、仕方がないのかもしれない。

ハスちゃんカメちゃんだったら、私は、子供が歌って日銭を稼ぐことが必要な状況が、戦争であること、栄養不足の母の為に子供に鯉を盗ませることが、またこれ戦争の悲惨さであること、と話し、理解させることができる。だから戦争はダメだ、と。何の誤解も生まれようがない。

日本でなく、外国に目を向けると、歌ったり、ゴミを拾ったりして日銭を稼ぎ、生きるために盗みを働く子供がいるでしょう?当たり前に。何を言ってるの、広島市。

ただ、私たちの想像を超えるところまで、子供の理解度の低下、多分親の理解度の低下、がきているんだと思う。