ジャイアン

放課後、カメちゃんを迎えに行ったら、泣きべそのカメちゃん。奄美時代、小学校低学年の頃はよくあったけど、久しぶりだった。

ジャングルジムにいるお友達にボールを当てる遊びをしていて、カメちゃんが投げたボールが、6年生のお友達の頬にあたってしまった。その子は我が家では密かにジャイアンと呼んでいて、言動がジャイアンそっくりで乱暴。ジャイアンはボールが当たり、激怒。「お前殺してやる!」と言われてカメちゃんは逃げ回った。一旦トイレに行くために校舎に入り、校庭に出たら、カメちゃんが先生の所にいいつけに言ったと勘違いしたジャイアンが急に謝ってきたらしい。

カメちゃんは、どうしても許したくないという気持ちが沸き上がってきて、許さないと言った。それを聞いたジャイアンは怒り、カメちゃんを仲間外れにしてサッカーを始めた。

そんなことがあったらしい。

ジャイアン、頭にくる!ボール遊びしてて、当たって怒るなんて、遊ぶ権利なし!もう家に閉じこもってろ!ボール当たるくらいで殺すなんて言葉発するなんて人間じゃないぞ!

こう思った。

そして、そのジャイアンのかわいい所、頼もしい姿が思い出された。先週末行われた町内駅伝大会にカメちゃんとジャイアンは参加して、タスキをつなぎ走り、優勝した。二人とも区間賞。走る前にチーム9人の士気を高めるジャイアン、いい走りをして区間賞とって鼻高々なジャイアン、カメちゃんの区間賞も讃えてくれたジャイアン、大人に向かって物おじせず発言するジャイアン、そんなジャイアンを思い出した。

色んなジャイアンを知っていてよかった。彼のいい面を知らなかったら、ついつい、カメちゃんに「ジャイアンと遊ばないで!」と言ってしまいそうになるのが、親の性。。。

とにかく、人っていろんな面があるから、いろんなことを一緒にして、いろんな感情を共有しておくことが、うまく人と付き合う一つの方法だなぁ、と感じた。