キャリコン講座は毎週大体土曜日。1週間はあっという間にやってくる。私が成長できたとしたら、これがよかったというのが2つある。
1つは、2回目のロープレ録音を聞いたこと。スーパーバイザーの方の言葉、ご指摘、アドバイス、全部理解はしている。そうなんだろうな、と思う。改善したいなぁとも思う。けれども、「あなたはお上手だから、そんな事言うけどねぇ、こちとらやってるつもりなんですよ、でもできてないんですか?やってると思うんですけどねぇ、ちょっと厳しすぎはしないですか」みたいなノリではあった。
しーかーしー、自分のロープレの録音を聞くというのは、客観的にそれを聞くわけで。下手過ぎて驚いて、笑っちゃった。「へたくそすぎる」と笑ってしまった。スーパーバイザーの方の言葉が初めて本当の意味で理解できた。本当にそうだ、と思った。
やってるつもり、が全然できていないことに驚いた。例えば、相談者の発する感情ワードを拾って伝え返すこと。やらないといけない、と知識でわかっているけど、余裕がなくて、相談者への質問のことが気にかかって、やってはいるけど、なんだか機械的な、まったく共感できていない伝え返しだった。そう指摘されてたけど、本人、全くそう思ってなかった。けれども、録音の威力はすごかった。一瞬で自分の現在地を把握できた。
相談者の発する感情ワードを伝え返すのが、反射、というか、卓球のラリーみたいになっていて。本当に笑ってしまった。機械的、でしかない。
2回目にオブザーバーとして見た、共感力が高い同期の仲間のロープレはとても参考になった。思ったよりも大きく、ゆっくりうなずくのがいい、というのが分かった。
youtubeで公開されているロープレ動画で、この人いいな、と思う女性のロープレをシャドウィングしてみて、気が付いた。ただ見ているだけだと、自然で違和感なくて、ふーんという感じで見てたんだけど。シャドウィングしてみると、明らかに相談者の話に対する反応が、私に無い物だった。私がやってない反応だった。自然に見てたけど、やってみたら、大きく頷いたり、伝え返しの前後にしっかり間を取っていたり。すごく勉強になった。自分の悲惨なロープレ録音がしっかりと耳に残っているから、その比較も体感できた。
間の重要性。
2つめは、ちょうどシャドウィングしたロープレ動画のキャリコン役の女性の発言、発する言葉にハッとしたこと。動画を見ているだけだと、流れるようになめらかに進んでいく面談をさらっと見ているだけだったのだけど、真似してみて気が付いた。このキャリコン、相談者の気持ちしか聞いてない。
私は、2回目のロープレで、頭に真っ白になることはなく、15分間何かしら話続けることができた。1回目よりは成長した。けれども、スーパーバイザーの方から、事実、事象に関して聞きがち、と言われた。私は、問題解決には事実をしっかり把握すること、感情は排して、事実を因数分解することで問題の本質がみえる、みたいな考え方をするきらいがあって。事実を集めたくなるんだろう。キャリコンの講座では、相談者の気持ちを聞く、気持ちに寄り添う、相談者の話したい事を聞く、と言われ続ける。その本当の意味が分からなかった。分からないまま、先輩方がそう言うならそうするしかないか、という感じだった。
私に気づきを与えてくれたロープレで、キャリコン役の女性は、相談者の発する感情の言葉、感情が潜んでいるフレーズを拾い、そこを伝え返し、そこをとにかく深ぼっていく。気持ち、思い、どう感じているか、を聞いているだけ、だった。それだけで、相談者は驚くほど、その気持ちや思いにまつわる事実や事象についても話してくれる。気持ちは、気持ち単体では存在しないから。知ってたけど、理解はしてなかったのかな。
気持ちを聞くと、事実、事象がもれなく付いてくる。すごい発見だった。だからもう、自信を持って、気持ちをひたすら聞いてみよう、と思った。腑に落ちた。
2つの気づきを得て、ロープレというものが少しわかった気がする。そしてもう一つ大きいのが、私が理想とするキャリコン、を見つけたこと。それは、シャドウィングした女性ではなく、男性。1級技能士であり、臨床心理士の資格もある、かなり上級者。今の私には高度すぎるロープレだったりするのだけど、目指したい先輩を見つけたことが大きい。何が素敵かって、この男性がキャリコン面談、ロープレをすると、相談者が気付いていなかった自分の気持ちに気づくこと。ロープレだけれども、感動的だ。こんな感動できることが仕事になったら、嬉しい。
