あぁ、幸せな出来事だった。思い出すと、胸のあたりがじんわり温かくなる。
昨日、多様な学びに関するイベントに参加した。あの、あの、西郷孝彦先生が基調講演をされるというから、行くしかない。開始前の会場で、リアル西郷先生がフリースクールの各ブースを見て回ってらっしゃるのを見た時は、感激だった。私淑している方が、本当に存在しているのだ、と当たり前のことを実感して、感激した。
西郷先生は、今まで会った教育者の中で、もっとも温かく、人間味あふれる方だった。気負わず話せる、というか、やさしさ、やわらかさの中に、確固とした信念がある方で。あぁ、一緒に飲みに行きたい、と何度も思った。
先生の講演で心に残った事。子どもの今、を大切にする。今日をいい日にすること。未来のことを心配しての小言が多くなるから、今、のカメちゃんが幸せか、楽しいか、を大切にしようと思った。立ち退きで急に大金を得て、ギャンブルでその大金をすべて失った家庭の子どもが自殺した話をしてくださって。知識、教育、の大切さ、を思い知った。勉強は、自分の身を守るため、持っている権利を知り、行使するため、だと私は曲解した。
先生は、他の教育者が立場上言いづらいようなことを、さらっと口にしてくれる。お気に入りにの生徒のこと。ゲイの生徒のこと。先生にとってタブーはなく、事実を事実として伝えてくれるだけ、という感じ。そりゃ子ども達、心開くわ。若者支援を志す者として、目指すべき先人に出会えた。
私の大好きな西郷先生だから、講演後の休憩中とか、イベント終了後はたくさんの方に囲まれるだろうと思っていたのだけど、みなさん控え目なのか、恥ずかしがり屋なのか、西郷先生に握手を求めて行った私に続く人はおらず、しばらく先生と2人で話すことが出来た。
先生は、おかしいと思ったら学校にちゃんと伝えないとダメ。みんな、ちゃんとクレームしないとダメ。いい人でいようと思ってない?まだまだだね!と笑顔で言ってくれた。なんだか、色々経験した上で突き抜けていて、もうかっこよくて仕方がない。しばらく話していたら、不登校の子どもの支援をしている女性も加わり、また楽しく会話。とにかく楽しい方だった。
話していると、先生が宿泊するホテルまで電車で帰ると仰った。え?西郷先生、送迎なしなの?とびっくりした。体調が良くなかった様で、残念ながら懇親会には出られないということで、関係者は懇親会があるから送迎できないということらしかった。私は先生をナンパした。「私、ホテルまでお送りしますよ」と。先生は、本当に?それとっても助かる。体調がいまいちだから本当に嬉しい。電車なかなか来ないんだもん、とそれに応じてくださって。夢だったのかな、私は西郷先生をホテルまで送り届けるという、光栄な任務を授かったのである。
車で30分強、先生を独占してお話した。なんという幸せ。しかも先生の口から感謝の言葉が何度も発せられる。私はなんと幸せ者か。
カメちゃんの高校進学に関しても、先生とお話できて。私はもう、嬉しくてたまらない。お名刺も頂いて。いつか、また広島に来るときは一緒に飲みましょう、と言って下さって。先生はご存じないかもしれないけど、私の辞書には社交辞令という文字はない、ので、絶対先生の飲む!あぁ、楽しみだ。生きててよかった。
