カメちゃん陸上記録会に出る

陸上記録会への出場希望を募る手紙が届いた時、親子共々、楽しそうとは感じなかったので、出場申し込みはしなかった。他の誰も申し込みをしなかった様で、記録会の係の先生が「僕は係の仕事をしていて、自分の学校の生徒の参加がゼロだと、悲しいです」と、参観日の懇談会で仰った。その先生は親子共々に大人気の先生だったし、確かにそれは気の毒だ、と思い、カメちゃんは記録会に出ていい成績を狙うほどではないけど、運動自体は得意で好きだから、数人の保護者とじゃぁ、出ることにしようか、と子供の意向は無視して出ることになった。

カメちゃんは、走り幅跳びと、リレーに出た。特にいい記録が出たとかはないのだけれど、あの立派な陸上競技場で走る姿はかなりかっこよかった。カメちゃんだけではなく、走るのがどんなに遅くても、あの競技場で走っていること自体がもう、かっこよかった。言い過ぎかもしれないけど、世界陸上を見ているくらいの感動だった。笑

自分の番を待つ間、終わって他の子が終わるのを待つ時間、とにかく待ち時間が長い。けれども、周りには市内から集まった同学年の男子がわんさかいる。カメちゃんはずっと色んな子と笑顔で話していて楽しそうだった。記録会が終わってから第一声は、「たくさん6年生の友達ができたよ、名前は覚えてないけど、顔は覚えてる!」とそれが楽しかったみたい。そうだね、そういう所で楽しむのもいいね。

市内のいろんな所に、顔見知りの友達がいる、いつかまた会えるかな、会えたらいいな、と思うと、ワクワクするね。