川崎市にある子どもたちの居場所、「川崎市子ども夢パーク」が舞台の映画、ゆめパのじかん、を見た。いろんな子、本当に色々な特性を持った子が出てくる。たくさんの名言らしき言葉もちりばめられている。じわじわ、と染み入る映像作品だった。
映画が終わった後、感想シェア会があって、やはり見た人それぞれ、自分の興味や思いが違うから、それぞれ印象に残ったシーン、言葉、があって、私はそんなとこあったっけ?と何度思ったことか。かなり自分の人生を投影して見ていたのかもしれない。
他の参加者とも一致した心に残るシーンが、木工が好きなサワちゃんという女の子の発言「宮大工になりたいから、卒業生の8割が宮大工になるという大学を目指すか、それとも失敗した時のことを考えて、失敗してやりなおしがききそうな、名のある大学に行っておくか、宮大工は本当にやりたいかどうか、わからないし」というもの。私は胸にずーんと響いて、とても悲しいなぁ、と思ったシーンだった。
サワちゃんは、学校は自分の行きたい場所ではないことを感じ、ゆめパに通い続けていて、しっかり自分の意見を言える子。あれは嫌、だからこうする、と自分で決められる子。イベントでお店を建てる時なんて、釘を口にくわえて金づちトントンしている姿がもう、大工さんそのもの、かっこよかった。そんなサワちゃんでさえ、自分の気持ちに自信が持てず、一直線にそこに向かう、より、名のある大学を目指す方がいいのではないか、と迷ってしまうんだ、というところが衝撃だった。サワちゃんが迷うなら、他の子が迷わないはずはない。
そして、そのサワちゃんの迷いは、恐らく大人がそう言わせている。社会の仕組みがそう思わせてしまっている。あぁ、なんと悲しいことか。10代の若者が、失敗を恐れず、興味に向かって全力をかけて突き進む、そんな世の中であって欲しい。サワちゃんの様に迷った時に、勇気づけられる大人が何人か周りにいたらいいと思う。
私は、そんな大人でいたい、と思った。