“具体と抽象 細谷功著”、面白かった。とてもとても、今の私に必要な本だった。
普段、何気ない会話なら大丈夫なんだけど、何か問題が起きた時に話が伝わらない、議論がかみ合わない、という経験をしていて、自分なりに、その人の思考の癖とか、マインドセットなどを整理して、なぜそんな考え方になる?というのを理解しようとしていた。
“具体と抽象”は、私が色々考えていたことをズバリ言語化して説明してくださり、有難かったし、同時に、抽象思考ができない方と分かり合うことは、無理だと考えた方がいいということを理解し、分かり合う為の方法、というのも無いんだなぁ、と悟った。
これは私の意見だけれども、恐らく抽象思考ができない方(この本の中ではできる人が圧倒的少数と書かれていて驚愕)は、糸山先生が仰る9歳の壁を越えられなかったのでは、と思った。
この本の著者は、この本を読んで、具体思考で生きている方に、抽象思考の世界、自分には見えていない世界があると知ってほしいと書いてあるけど、具体思考で生きている方にとって、それはとっても難しいことだと思う。なぜなら、その能力を身に着けるタイミングが、9~10歳だったんじゃない?と思うから。
保護者数人で、ある問題に関して話し合っていて、学校に対して私は〇〇という要望をしたの、と発言をした。そしたらある方に、「あれ?あなたの理想は〇〇だといつも言っているじゃない?」と突っ込まれた。私は、「私の理想は確かに〇〇、だけれども今この状況下で学校に私の理想を押し付けるべきではないから、〇〇と要望したのよ」と説明した。そしたら、それを理解してくれた保護者もいたけど、私に突っ込んだ方は、理解できないという顔をしていた。
要するに、私の信念はいつ何時も変わらないけど、それを主張すべき時と場合、相手は選ぶ、ということが理解できない様だった。その人にとって、私は言ってることがその時その時で変わる、ブレブレな人、と感じるんだろう。
そこを理解してもらおうとは思わないし、理解できない方なんだと思う。だからその方はおいてけぼりで話は進めた。結果、その方は何とも気持ち悪い、納得できない話となったんだろうと思う。
そういうことが、よく理解できた本でした。