そのままでいいよ、ハスちゃん

「あなたはそのままでいいよ、いいからね」とこの数日頭の中で何度も唱えている。ハスちゃんに対して、学校という組織が苦手で、同級生と楽しむことができず、学校が終わったら飛んで帰ってきて、いつも一人お部屋で何かしていて、休日外出することもなく。。。なんだか、かわいそう、せっかくの青春なのに、お友達と一緒に過ごしてほしい、なんて、勝手に心配していた私。

夏休みはほぼ私の実家で過ごし、私とカメちゃんだけ奄美旅行に行ったけど、その間も一人実家に残ったハスちゃん。同級生とは仲良くなれていないけど、2歳下のいとこや、3歳下の近所の子とは楽しそうに遊んでいた。私が彼女に臨む自然体験はパスされたけど、彼女は自分で考えて自分の休暇の過ごし方を選択して。奄美から帰宅したら、ギューッとハグして、嬉しそうに微笑んでくれた。夜寝る時も、抱きついてきて、かわいぃやつだと思った。そんな夏休みを過ごし、なんだかハスちゃんはそのままでいいんだなぁ、と漠然と感じていた。

昨日はアート療法士のMちゃんがハスちゃんと会ってくれて、ハスちゃんは私よりも精神的に成熟しているよ、と言われて。同級生と話が合わないのはもう仕方がない、と、本人も私も感じていたことを、客観的に教えてくれて、納得しかなくて。今までは何だかやきもき、心配する気持ちが渦巻いていたんだけど、今はハスちゃん、自分の精神性に合わない場所(学校)にいるの、苦しいだろうな、大変だろうな、よくバランスとって頑張ってるなぁと、ちょっと尊敬と、労りの気持ちが大きくなって。

2学期に向けて、ハスちゃんのことを気にかけてくれている担任の先生と話す機会があった。Mちゃんからの言葉を先生に伝えると、先生もハスちゃんが多くの同級生と合わないというところ、納得されていて。ハスちゃんが同級生に対して発する言葉にドキっとすることがあるみたいで。同級生の発言に対し、否定的な意見をぶつけていることもよくあるとのことで。急に中学から転校してきて、ハスちゃんの面白い顔を知らないまま、そういう理攻めで論破してしまう感じだと、正直ハスちゃんって怖いと思っているようなクラスメートもいます、とのことだった。

Mちゃん、先生と話せて、なんだかハスちゃんを取り巻く状況がよく見えてきた。

先生と話した後、ハスちゃんにこんな話聞いたよ、と伝えたら、以下のようなエピソードを話してくれた。「音楽の時間、アルトリコーダーを吹くとき、私はすぐに上手にふけるようになるけど、上手に吹けない子に合わせて授業するから、できるのに何度も何度も同じところを吹かないといけない。できない子に合わせるのが嫌だと言ったら、同じ班の子1人は同意してくれたけど、他な子に理解されなくて、「はぁ?!」とちょっと切れ気味な反応が返ってきた。私は自分の意見を伝えたい、わかってもらいたいと思っただけなんだけど」

日本の学校って、平均レベルにみんなを持っていこうとする風潮がある気がする。できる子にとっては授業も簡単で、退屈。ハスちゃんは学校が退屈すぎる苦しみを味わい続けている。このままではハスちゃんの向上心だったり、才能を生かしてあげられないなぁと感じている。

担任の先生は、よく私の話を聞いてくれて、理解もしてくれる素晴らしい方。できる子が楽しめるような授業のスタイルを先生たちにはもっと工夫して頂きたいと伝えたけど、それに対する反応は鈍くて。。。

同級生と話が合わなくて、思ったことを発言したらちょっと怖いと思われたり反感をかったり、学校も楽しくなくて、でも、それでいい、と心から思えた夏休み。ハスちゃんはそのままでいい、そう思った。