逞しくなったハスちゃん

ハスちゃんは、筋金入りの学校嫌い。強制指示の世界で、自分の考えを述べること、創意工夫を求められない世界。意見を言うと、先生の言う通りにしなさいと言われる世界。そんな世界が大嫌いなハスちゃんです。

1学期までは、我慢できない嫌なことがあると、翌日は遅刻かお休みをしてガス抜きをするのが定番の流れでした。一昨日、昼休みにやっていない宿題の漢字の書き取りを強制的にやらされた件、本当に嫌そうに報告してくれて、あぁ、明日は学校行けないなぁ、まぁ、休めばいいよ、なんて思っていた。

もちろん、朝の目覚めは最悪っぽかった。でも、「学校には行かなくてもいいから、ちゃんと起きて身支度しよう」と声を掛けたら起きてきた。朝ごはんを食べながら、「学校どうしようかなー」なんて言っていた。行きたくないのは百も承知で以下のような話をした。

確かに我が家は宿題やりません、家庭学習は任せてくださいと言っているのに、勝手に無理やりハスちゃんに漢字の書き取りをさせた先生には腹が立つ。けれども、そこはママがしっかり考えを伝えて、もう二度とそんなことされないようにする。先生がハスちゃんにしたこと、嫌だったと思う。でも、先生はハスちゃんの学力向上を願ってやった。ハスちゃんに意地悪をしたかったわけではない、ママの考えとは違うけど、子どものことを思ってやったことなんだよね。何度も漢字を書いたら覚えられると信じてるんだから。悪意はない。でもね、将来大人になって社会に出たら、ハスちゃんのことを陥れよう、意地悪しよう、お金をだまし取ってやろう、という本当の悪人があなたに酷いことをしてくることがある。それに比べたら、先生は勘違いして嫌なコトをしてきたけど、全然大したことないよ。社会にでたらたくさん酷い事あるからね、と。

そしたら、ふんふん、神妙な顔で聞いていて、朝食を食べた後、自然と学校へ行く準備をしていました。

小学生最後の夏休み、人生の宝となる自由研究がしたくて、SDGsについて取り組みました。オンライン講座に参加したり、新聞記事を読んだり、色々した中で、この世界には貧困でその日食べるものが保証されていない子どもがいること、労働を強いられ、労働しても十分な賃金が与えられず、貧困から抜け出せたない人がいること、私もハスちゃんも、この世で起きている現実問題を知ることができました。そんな経験も、ハスちゃんを逞しくしたのかもしれません。