対話

夕食を作りながら、youtubeでエドカフェという、元大空小学校校長の木村先生と教育者が語り合うシリーズ動画を見ています。

木村先生の口から出てくる子どもの体験談は、毎回涙してしまう。言葉が出ない自閉症の子Mちゃんと、他の学校に適応できなくて転校してきたものの、心が開けず、お友達には暴言しか吐けないAちゃんの交流の話は、滝のように涙が流れた。

対話というテーマの回だった。対話には、言葉を使わない対話もあるという話で。暴言しか吐けないAちゃんが、クラスメートと仲良くできなくて休み時間、教室に一人で残っている。一人で泣いている。その様子を見ている言葉が出ないMちゃん。そして突然Mちゃんが手につばをペッと吐いて、Aちゃんの顔にべったりつけた。Mちゃんは「やめてよ、きたない!」とMちゃんの顔を見た。初めて目があったMちゃんは、ニヤリと笑った。

それをきっかけに、AちゃんはMちゃんの存在をよりどころにして、学校で自分の居場所を作っていく。修学旅行もMちゃんと一緒の班がいい!とAちゃんは言ったそう。

私はまだ見ていないけど、大空小学校のドキュメンタリー映画がある様で、その映画の中で、運動会でMちゃんが女の子に手を引かれて走る場面がある。映画を見た人は、やさしい女の子が自閉症のMちゃんを助けてあげている心温まる場面だと思ったかもしれないけど、実は、その女の子がMちゃんに助けられているという背景があるんです、と木村先生。

私の涙腺は崩壊。

相手を納得させるような論理的な話し方などは、テクニックとして教えられるけれど、このMちゃんの言葉を使わないAちゃんとの対話こそが、本物だと思うと聞いて、私は目が覚めた。

ハスちゃんが行けたらいいなと思っている中学がある。それには受験が必要だ。作文で自分の考えを表現したり、面接で自分をアピールすることが大事、そこにちょっと首ったけになっている自分がいた。

私は、ハスちゃんの人間力を単純に高めていく。この1年で。それだけ。少しだけ作文の時に使えるテクニックみたいなこととか、自己PRの練習もすると思うけど、塾通いして受験対策するとか、テクニックを身に着けさせるということはやりたくない、そう強く思った。