親の希望

学校が好きではないハスちゃん、とにかく授業が楽しくないというハスちゃん。もう小学6年生。このまま公立中学校へ行くという選択は、ないかなぁと感じている。先生から教えられる知識や解法を覚えて、テストで点を取ったら評価される、という今の学校の勉強し方が、ハスちゃんには楽しくないんだから。低学年の時はそんなこと言わなかったけど、4年生くらいからかな、授業が楽しくないと言い始めた。

そんな中、ある公立の中高一貫校に興味を持った。最近よく聞く探求型の学びを取り入れた学校。公立だけれども全国から受験が可能。定員に対し倍率は約10倍の難関。入試問題は知識を問うものではなく、基本の学力を使って考える力、思考力を問われる難問。

年長さんの冬から、どんぐり問題だけに取り組んできたハスちゃん。地頭は育っている、考える力はあると思う。けれども、基本的な学力の低さが否めない。

ハスちゃんにこの学校のウェブサイトを見せて、こんな学校があるよと紹介したら、ここに行きたい!と言った。入試問題を見せて、こんな問題が出て、考えることができる子だけが行けるんだよ、と話して、この学校に行きたいんだったら、準備、努力することが必要だよ、と話した。

私はがぜんやる気になった。入試である適性検査の問題をコピーしたり、難問である適性検査への対策の仕方を調べたり、かなりハードルは高そうだけど、リサーチして準備することにわくわくした。

それなのに、ハスちゃんにはそんなにやる気が感じられない。努力しないと普通の公立中学校に行くしかないんだよ!わかってるの?と腹立つ私。この学校に行くために塾通いをする子が多い中、うちでは週2回のどんぐり問題を丁寧に行う、こと、小学生新聞の天声こども語を読むこと、これくらいしかやらない。なのにハスちゃんは、先週どんぐり問題すら週2回するということが守れなかった。かなりご立腹の私。

何度言ってもゴミをゴミ箱に捨てられないこと、靴下が脱ぎっぱなしであること、などが目に入って、さらに私を怒らせる。ハスちゃんが大嫌いになってしまった1日があった。1日寝たらヒートダウンできたのだけど、親って怖いなぁと実感した。

子どもの幸せを願って、願いすぎて、自分がよいと思う進路へ進ませたくて、そこに入ることにストイックに努力させたいと思ってしまう。そして思い通りに勉強しない子どもに対して、怒ってしまう。

これって、いい高校、大学に入学出来たらあなたは幸せになれるんだから、勉強しなさい!という私が毛嫌いしている親、そのものじゃない!と自分に突っ込みを入れて、深呼吸。

もちろん、ステキな中学校に通えたら素晴らしいけど、私とハスちゃんは、今まで通り、毎日を丁寧に暮らし、週2回どんぐり問題をして、様子を見ながら入試の前にちょっと対策をする、くらいで行こう。毎日が幸せであることを最優先にしていこう。と考えたのでした。どんな未来でもいい。