みんなの学校、という映画の舞台、大阪の大空小学校の初代校長、木村泰子さんの講演会に行ってきた。カメちゃんが通うイエナプラン教育校の保護者が主催であるこの講演会、人生で一番感動した講演会だったと思う。
生木村先生は初めてだったけど、オンラインのトークイベント、公演(アーカイブ)などはたくさん見てきた。先生の大ファンだ。何が好きって、本質を知る人で、知ってるだけじゃなくて、行動もしている人。周りにどう思われようが、ひたむきに子供の幸せ、成長を願い、信念を持ち、子供に関わる姿、は感動的。先生は多くの人の命を救っていると思う。多くの教え子の人生の支えになっている。本当に素敵だ。
先生も初めから素敵な先生であったわけではなく、数々の失敗をやり直しして、今の先生に成長した、ということがよくわかるエピソード。人にとって失敗は、有難い、と感じる。
5年間の不登校を経て大空小学校に来た生徒が、教室で1日過ごせて教職員は喜んだ。その喜びをお母さんに伝えた。クラスメートはみんな、〇〇の受け入れ態勢バッチリです!と。お母さんを安心させたかったのだろうね。お母さんがどんなに喜ぶか、楽しみにしていたら、まさかの反応だった。お母さんは、”受け入れる”ということは、またいつ子供が学校に行けなくなるか不安です、と。
そうか、”受け入れる”ということは、その子をありのままでいいと認めることではない。なんだか上から目線で、変わった特別で変な子を、こちらが配慮して、受け入れてあげる、というニュアンスあるなぁ、と初めて知った。
受け入れている状態で、何かその子が問題行動をしたら、受け入れは成立しなくなる。崩壊する。それじゃぁ不安定だ。ありのまま、そのままでいい、空気のように、その存在がある、そこまでもっていくべきなんだ。
他のみんなと同じことをしたくないハスちゃん。制服も嫌がる。でも制服着なくて行ける中学校なんて通える範囲にはない。だから、白シャツと紺のズボンを履いて通わせて頂いている。もちろん制服着ないと教室に入れません!なんて学校はこのご時世もう言えないだろう。多様性を認める、とかパンフレットに大きく書いちゃってるし、校歌にも♪みんなちがっていい、って歌詞あって、生徒に歌わせちゃってるんだから。
私は、学校がそんなハスちゃんを受け入れてくれていることが有難い、と感謝していた。けれど、受け入れる、という状態は、あくまでもハスちゃんを異物として扱い、特別な配慮をしている状態なんだなぁ、と気が付いた。今は、受け入れてくれている状態だけでも、やはり有難いと思うのだけど。
先生の金言、たくさんあった。たくさんメモとった。その中でも、今の私に一番刺さったのは、「みんなちがってみんないい、なんて言ってる場合じゃないんですよ、みんなちがうんです、みんなちがって当たり前、なんです」
この話をハスちゃんにしたら、とっても響いたようだ。夕食を食べにキッチンに入ってくる瞬間、「みんなちがって当たり前」って言っていた。そんな社会になると、雰囲気かわるよね、日本。