学力

今私はハスちゃんカメちゃんと奄美大島にいる。山村留学というやつです。今、日本中に山村留学制度があって、候補地をリサーチする際に、何度か現地の方や山村留学中の方とメールでやりとりすることがあった。

きまって言われるのが”沖縄や離島は教育は遅れている。学力の面ではマイナスで受験には不利”ということ。何度も聞いたこの言葉、久しぶりに今日また聞いて、ふぅ~とため息。

東京であれ、沖縄であれ、広島であれ、日本国外、どこにいても学力はつく。本当はそうじゃないけど、みんなが言う学力=学校の成績、テストの点数のことだから、そういうことだとして話を進める。同じ学校で同じ先生の同じ授業をうけて、同じ宿題をしてるのに、成績はバラバラ。同じ学力にはならない。じゃあその差はどこから生まれるの?というと、家庭しかない。

わかってる子もわかってない子もみんな同じ宿題

私は、学力は学校の成績やテストの点数ではないと思っている。学力とは、自ら考える力。こう思えるのは糸山先生主宰のどんぐり倶楽部に出会えたから。
糸山先生が考える絶対学力とは<感味力>と<視考力>。

「教育は裕福な人の特権であってはならない」

これがどんぐり倶楽部の糸山先生の主張。私もそう思う。どんぐり式であれば、驚くほどお金がかからず、本物の学力養成ができる。どこに住んでいても、日本でなくて海外でも、お金持ちでも貧乏でも、親次第で子供は本物の学力をつけることができる。地域の学校がどんなに荒れていて酷い状態でも、大丈夫。今の公立小中学校だったら、行かない方が邪魔されずに豊かな学力養成はできそう。ただ、学校は勉強するだけの場所ではないからね。

そもそも学力は、学校ではなく家庭でつけるもの。これを知らない人が多すぎる。自分の子どもの学力を住んでいる地域や火曜学校、担任の先生のせいにしている人、早く気づいてね。

親子山村留学のメリットとデメリット

タエン浜

なぜ都会を離れ、田舎へ移住するのか。
私は、子どもが小学生(特に低学年)のうちは、美しい大自然の中でのびのび育てたいと思って、
奄美大島に移住しました。

タエン浜 class=”alignnone size-medium wp-image-289″ />

環境は思った通り。素晴らしい。
子どもがゴールデンエイジといわれる9才から12才の間は、
豊かな自然の中で、じっくりていねいに毎日を味わって生活したい。

緑が神々しい山、サイダーのような海、小鳥のさえずり、かえるの泣き声、満点の星空、
身近にあふれる自然には、感謝しかない。
豊かな自然の中に、ハスちゃんカメちゃんがいるのを見ると、とてもうれしい。

自然環境は裏切らない。人間は自然を裏切りまくっているのに。

貝殻ひろい
たくさんあつめたよ

でも誤算は小学校。

奄美大島がある鹿児島県は保守的と言われていて、移住前にもそう聞いていた。
公立小学校なんてどこも一緒、くらいに思っていたけど、実際子どもを通わせてみたら、
なかなかストレスフルな保守的レベル。

山村留学制度を取り入れている小学校は、少子化で極小校で、
全校児童が10名前後という学校が多い。
少人数だから、全員が完全に保守カラーに染まってしまう。

小さな学校のメリットはある。
ハスちゃんは、同級生が1名、2名での授業なので、授業中の発言機会が多くあり、
常に自分の意見を発表できる。
運動会、学習発表会などの行事では、出番が多い。みんなが主役。
小さな学校の中では、一人ひとりが重要、かけがえのない存在であり、
子どもに、自分の意見や行動が、学校に影響力を持てる、という体験をしてほしいと思っています。

タエン浜
たっくさん通ったタエン浜

で、デメリットは、多様性が認められない風土とういこと。
お上に逆らわず、異論は唱えず、皆と同じがいいという土地柄で、
本流から外れた生き方をするのは大変。

ちょっと人と違う考え、行動をしたら、目につき、注意される。
息苦しい。
都会には本当に色んな人がいて、ある程度多様性を認める土壌がある。
それが、ここには無い。

ブートニア
入学式でつけてもらったブートニア

鹿児島県の教育は特に保守的らしく、古くない?時代錯誤じゃない?と感じることが多い。
親は学校、先生がいう事は絶対という雰囲気。

東京や広島では、学校が作るルールがあり、その上で各家庭が判断するという雰囲気だった。
例えば、”冬は暗くなるから5時に家に帰りましょう”という学校のルールがあるとして、
そのルールを把握した上で、各家庭のライフスタイルに合わせてアレンジしていた。
5時になったら家の近くの公園まで帰ってきて、暗くなるまで遊んでいいという家庭もあったし、
6時までなら遊んでいいという家庭もあった。全部保護者が自分の判断で決めていた。
今住んでいる地域の親は、完全に学校に言われた通りに動く。
疑問や異論を感じても、口には決してしないという感じ。

なんか、北朝鮮とか独裁国家って、こんな感じなのかな、と感じてしまう。

奄美に移住した理由

奄美の自然

広島から奄美大島に移住した理由は、子どもを

①小学生のうちは自然豊かな場所で育てたい
②小さな小学校に通わせたい

という希望があったから。

①については、今のところ間違いなかった。
大自然は裏切らない。
奄美のきれいな海と、雄大な山の緑、満天の星空なんかに囲まれていると、
人間の本能として快適だと感じ、自分の穏やかな面が引き出される、そんな感じがしています。

②については、いいところもわるいところも、どっちもある、という感想。
広島でハスちゃんが通っていた小学校は、1クラス30名ちょっと×2クラスという、
公立小学校ではごく普通サイズの学校でした。

1学年70人弱、
学習発表会は70人で1つの劇・・・短いセリフが1つか2つ
ハスちゃんは、1年生の時も2年生の時も、学習発表会の練習が始まると、
「学校いきたくない、楽しくない」と1週間~2週間くらいお休みした。

運動会は徒競走と、もう1競技を70人で行う。
勝っても負けても感情を出さないで規律正しく行動する子ども達をみて、ロボットみたい。。。と感じて
気持ち悪かった。
ハスちゃんに、何で勝っても喜ばないの?と聞いたら、
「練習で先生が、”喜んだら負けにします”って言ったから」と。
全校生徒がそう行動していたのだから、学校として全体的な指導だったんだと思う。

問題はおこらないかもしれないけど、
感動もないな、と感じました。

子供が1学年70人いて、その全員で行動するとなると、1人の役割がとても小さくて、
授業中も自分の意見を言う機会が与えられないことが多い。

ハスちゃんには小さい学校の方が合っている、と思った。

奄美の美しい海
放課後、きれいな海で泳げるのも奄美の魅力

移住して、児童数20名弱のとっても小さな学校に子どもを通わせて、一番感じているのは、
人数が少なすぎるのも良くないな、ということ。

ある程度人数がいると、その中から気の合う子と仲良くなればいい。
でも、同学年が2、3人の場合、気が合う確率は結構低いかもしれない。
親同士の関係もそうで、70世帯いたら、7世帯くらい、気の合う親がいる気がする。
2世帯しかないと、気の合う親がいないという状況の方が圧倒的に高い。

小さい学校では、児童一人ひとりが存在感を持ち、自分が組織の大切な一員であることを感じ、
自分の意見や行動が、その組織に一定の影響力を持っている、ということを体得できるのが一番の魅力だと思っています。

けれども、その少ない人数の中に(ざっくりと表現するけど)いわゆる”問題児”がいた場合、
その影響力は破壊的で、学校全体に影を落とす。。。
という怖さもあります。

小学校って

校庭に虹

小学校って、子どものための場所なのに、
今の日本の公立小学校は、そうではない。

それが不満。

大きな学校も、小さな学校も、多少の違いはあれど、
根本は同じ。

大人が管理しやすいように、大人の都合のいいように、
運営されているのが現実。

それが、納得いかない。

1学年2クラスで約70人くらいの規模の小学校で、
運動会、学習発表会で見る子供達が、意志を持った、感受性豊かな子どもには見えなくて、
嫌だった。

自然豊かな奄美大島の、全校生徒が20人足らずの小さな小学校だったら、
子どもは活き活きと生活できるのでは?と思って移住した。
思い通りのところもあるし、逆に大きな学校の方が良かったなという部分もある。
どっちにも良さがあるし、嫌な部分もある。

今言えることは、自然環境の美しさだけは、裏切らない。
奄美大島の自然は、とても雄大で美しく、気持ちが良い。
校庭に虹
とりあえずは、そこの部分の幸せをかみしめて、日々を楽しもうと思う。