いじめに対する具体的な工夫

ハスちゃん、学校が楽しくない、友達が全然できない、という状況があり、 友達作るなら、何でもいいから部活に入ってみたら?とか、
ゲームやテレビの話題ばかりで話に入れないというハスちゃんに、
1人でいてもいつもニコニコしてたら、きっといつか友達できるよ、とか、話していた。
先日雨の日に車で送っていった時、ハスちゃんに笑顔で挨拶してきてくれた子がいて、ハスちゃんは挨拶は返したらしいけど、その後それ以上会話を発展させようという風には見えなくて、友達作る気ある?と私は不満に思ったりもした。
友達ほしくない雰囲気をハスちゃんか醸し出していて、行動も友達を作ろうとしている子の行動ではないと感じていた。

4月22日(金)、ハスちゃんが夕食の席で、「同じ班の女の子が私のことを気に入らないみたいで、その子が友達に”私の斜め前の席の子、気が合わんわ”と言ってるのが聞こえた、あと、隣の席の男の子が私が話しかけると「黙れ!」って言うの。」と話してくれた。

友達が1人もいない状態で転入したハスちゃん、たまたま同じクラスで席が横と斜め後ろの男女との関係がとても悪そう。

道徳の時間、班のメンバーで話し合う時にハスちゃんがいじめる側も可哀そうだと思うと意見したら、ものすごい勢いで斜め後ろの女子が否定してきたらしい。見かねた先生が議論を止めに入ったよう。その斜め後ろの女子は、ハスちゃんの意見を全部否定してくるらしい。班で100言っちゃいけないゲームをやった時、どうしてもその女子が負けて、どんどん不機嫌になっていくから、ハスちゃんがわざと負けたら、もっと不機嫌になったとか。

その時点では、陰口を言われたらハスちゃんの勝ちなんだよ、相手にしない、同じ土俵に上がらないこと、黙れ!の男子とは話さない、距離をとるのがいいかもね、 と話した。

4月24日(日)参観日。ハスちゃんのクラスは道徳だった。いじめについての授業らしい。意見を横の人と交換してみて、と先生からの呼びかけがあっても、ハスちゃんは横の男の子と話したくなさそう、その男子も前に座っている男子と話している。この子が黙れ!君なんだな、と。そんな悪い子には見えなかった。

ハスちゃん、参観日で親がいるから道徳の時間は黙れって言われなかったけど、英語の時間には言われた、と教えてくれた。
斜め後ろの女子、親がたくさん集まっている中ではもちろんハスちゃんの陰口は言わない。するどい批判的なまなざしが印象的な子だった。

ハスちゃんは嫌がったけど、担任の先生にハスちゃんから聞いた話を手紙に書いた。何か対応を求めず、ただ知っておいてくださいという手紙。それを参観日の授業後に渡した。

4月26日(火)風呂上りにハスちゃんが「もう学校行きたくない」と言った。ガーンとなった。奄美の学校もだめ、ここもダメだったか、と残念で悔しくて、あぁどうしようという気持ち。
でも、学ぶことは放棄したくない、ハスちゃんも学びたがっている、学校の何が嫌なのか、話を聞いてみたら、「人が嫌」と。

例の黙れ男子と、斜め後ろの女子及びその取り巻き5人くらい、が嫌とのこと。
いくら相手にするな、距離をおきなさい、と言われても席が近い、同じ班で、授業で何度も隣の席の子と意見交換してという場面があり、避けられない。斜め後ろ女子に至ってはハスちゃんが距離をおいても、あちらがハスちゃんの全てを批判してくるんだ。逃げられないね。

ハスちゃん、泣きながら今日も何度も黙れ!って言われた。私の意見を「お前は論外!」って言われた。斜め後ろの女子は、ハスちゃんの行動が気に入らない様で「プリントの後ろにまわし方が変、意味がわからん」と言ってるのが聞こえたらしい。私からしたら、どうでもよくない?と信じられないレベルの悪口なんだけど、ハスちゃんは毎日色々言われ続けるのが苦しくてたまらない。

黙れ男子と斜め後ろ女子と他の子の会話に混ざろうとすると、無視されるらしい。地獄だ。いじめ、以外なにものでもない。

全く友達がいない中、たまたま横の席、斜め後ろの席になった同じ班の男女にこんな仕打ちをうけ、友達作るどころではない、とにかく耐えて、耐えて、耐えた日々だったのだろう。ハスちゃんに他に友達がいれば、そんな性格悪い女子と取り巻きなんて相手にしないでいれたかもしれないけど、今のハスちゃんは独りぼっち。

入学して2週間ちょっと。もう我慢できなくなったね。我慢する必要はない。あとは私の出番。

どんぐり倶楽部の糸山先生の言葉、悩む時は、具体的に悩んで、具体的に工夫する。

糸山先生の言葉はこんな最悪な状態下でも、パワーを引き出してくれる。
まずはハスちゃんを守る。だからこんないじめのある学校には行かせたくない、けれども黙れ男子と斜め後ろ女子の言動の録音データが欲しい。

今朝は、本当は学校に行かせたくないけど、いじめの証拠として重要な録音に挑戦してみてくれる?私があなたを守るから!と話して、送り出した。
戦場へ送り出した気分。

今日、明日、ゴールデンウィーク前の2日間でハスちゃんに対する暴言、悪口の録音データ取得に挑戦する。証拠が手に入ったら、書面をまとめて担任、教務主任、教頭、校長、教育委員会、PTA会長へ提出し、 ハスちゃんが加害者との関係を断つための具体策の相談に乗っていただく。

これが、私が考えた具体的な工夫。
子供がいじめられていると思うとどうしても感情的になってしまう。
ここは、冷静に、事実を突きつけて、具体策を引き出したい。

人、につきる

カメちゃんがイエナプラン教育校で楽しい毎日を送っていると日々書いているけど、奄美の小学校でも2年生の時の担任の先生が素晴らしく、
管理がけっこうキツめの超小規模校であっても、担任の先生次第、では楽しく過ごせることを書いておきたい。

2年生の時、カメちゃんは皆勤賞だった。
前夜熱が出て、朝には熱が下がっていたけど念のためお休みしよう、という私に、土下座するくらいの勢いで、お願いだから学校に行かせてくれ、と頼み込んだカメちゃんが忘れられない。
それくらい楽しかったということだ。

今年度開校したハスちゃんが通う新設校、形だけは新しい学校で、校歌も素敵で、ひとりひとりが大切、みたいな歌詞なんだけれども、
体育教師が何度も同じことを繰り返しやらせて、怒鳴って言うことを聞かせようとするタイプらしく、ハスちゃん、体育の授業にはもう参加していない。ハードを変えても、教師の指導が昭和な感じ。
体育が嫌だと言ったら、じゃあこの部屋にいてください、という対応はありがたいけど、どんなにハードを新しくしても、やっぱり結局は人、なんだと思う。

奄美でハスちゃんカメちゃんが通っていた小学校と同じ町内の小規模校で、
校長先生が変わってから急に子供がイキイキしていると評判の学校があった。
超小規模校は、校長先生次第で本当に変わる。ハスちゃんカメちゃんが通っていた学校の校長が、昨年度赴任して、標準服や服装に対する管理がより厳しくなって、もともと窮屈に思っていた学校生活がより息苦しくなった。

今カメちゃんが通う学校は私服だし、ハスちゃんの通う学校も靴下や体操服は白でも紺でもいい。白の靴下や体操服しかダメな世界が、もはや嘘でしょう?と言いたくなるくらい、別世界。
靴下、白じゃなくても、紺でも、何色でもよくないですか?と言ってくれる校長、教育長がいたら、かなり、楽になる家庭はあるのではないだろうか。
私が標準服に対して負の感情を抱きすぎているのであろうか。小学生がわざわざあの動きにくい、洗濯しづらい標準服を着て登校し、学校に着いたら体操服に着替え、また標準服に着替えて下校し、帰宅して私服に着替えるという行為が、本当に無駄、だと思い、溜息の毎日だった。

とにかく、どのような小学校、学校であれど、人、につきる。イエナプラン教育校とはいえ、いろんな人の集まりだから。これから何が起こるかな。楽しみでもある。

いるもの、いらないもの

イエナプラン教育校、朝登校して子供が校庭で自由に遊び、放課後も自由に遊んでいる姿を見るのが嬉しい。
私が小学生の頃の当たり前の風景だけど、今では珍しいのではないかな?
となりの小学校から転入してきた保護者の方が、放課後校庭で遊ぶことが許されていなかったと仰っていたし、今の小学生は本当に自由に遊ぶことが難しいね。

カメちゃんが通うイエナプラン教育校、私は授業を見ていないので、どんな生活を送っているのかは実際にはわからない。カメちゃんが私に報告してくるのは、大体大休憩に〇〇した!とか遊んだ話。昨日は何故か大休憩の時間、低学年クラスの小さなお友達30人に追い掛け回されたらしい。小さなお友達にとって、カメちゃんみたいな上級生は面白いかもなぁ。

小学校って6時間だと下校時間が16時過ぎる。奄美時代は、徒歩5分くらいだったけど、帰宅したらもう16時半。
帰りの会が長い!とか先生に〇〇するように言いつけられて、帰れなかったなどとハスちゃんもカメちゃんもブツクサ文句を言っていた。17時までしか遊べないのに、もう子供に遊ぶな!って言ってるの?と私も腹正しかった。

イエナプラン教育校は、下校時間が早い。だいたい15時には学校が終わる。
公立の小学校なのだから、同じ学習指導要領の下教育活動を行っているのだろうに、と不思議に思った。カメちゃんと話していて、「朝の会」がない事を知った。
あの小学校といえば定番の会がない?
健康観察はするけど、それだけで終わりだそう。逆に、じゃあ奄美で朝の会って他に何してた?と聞いてみたら、
「今日のめあてが何とか、いろいろ、あれいらんね」とカメちゃん。

いらんねぇ!!!
大笑いしてしまった。

学校には、いらない、不必要な、形式的な儀式やきまりがたーくさんだよね。
カメちゃんは、学校でいるもの、いらないもの、比べて考えることができるね。

今年イエナプラン教育校に入学した1年生を見て、こんな素敵な学校で6年間も過ごせるのか、とうらやましく感じていた。けど、カメちゃんは、普通の学校を知ってるから、いろんな苦しい事、理不尽なこと、楽しくないことを体験してきたから、今の良さをより感じられるんじゃないかと思って。

無駄はないねぇ

イエナプラン教育校、実際のところはどんなところなのかもわかっていない。
つい先日、黒板がないと知って驚いた。それがいいのか、悪いかもわからない。
でも、カメちゃんが、子供たちが楽しい、嫌じゃない、と感じられる場所であるのだから、もうそれだけで十分。

日曜日の夕方

楽しい週末の終わりには、あーあ、明日からまた学校かぁ、と憂鬱になる、なっていた、けど、今は違う。昨日、日曜日の夕方、公園で楽しそうに遊ぶカメちゃんを眺めながら、明日は学校だからもう帰ろう!と声かけながら、明日もあの学校に行けるんだね、楽しみだね♪という気持ちでいられるのが、なんとも幸せ。

ハスちゃんは中学楽しくないみたいだけど、自転車に乗って通学し、帰りに自転車で近くの図書館に寄ってから帰宅するのが楽しいみたいで。今までは車で20分のところに図書館があったから自力で行けなかったけど、今は自力で行けるのが幸せみたい。

夕食の席で、カメちゃんが何かを思い出して「あ!」と言う。でも「あ、ママには内緒にしないと」と大きな声で私の前で言って、ハスちゃんにコソコソ何かを伝える。私に秘密にすることは、どうせゲームかテレビかお菓子かお金を拾ったとかそんな内容でしょう?と予想しても全部外れだという。私に内緒にすべき内容をなぜ今私のいるところで話すの?と笑いながら、ハスちゃんにコソコソ何かを伝えている。

「僕ね、公園の帰りのスーパーのトイレに行って、その時のBGMで気づいたんだー」って。何かと思ったら”母の日”だった。もう少しで母の日だから、何かしてあげようと思ったみたい。それをコソコソ私の前でハスちゃんに話しているカメちゃん。何ともかわいらしい。そして、「何もせんでいいでしょう」と言い放ったハスちゃん、何ともふてぶてしい。笑

2人とも、元気、それぞれ、そのまんまでいいね。

中学校楽しくない

ハスちゃん、4月7日に入学式を終え、中学生活をスタート。こちらも予想通りの展開となっている。

今年度開校の小中一貫校なんだけど、制服が変わり、校歌が作られ、2つの中学校が統合され、というハードの部分の変化はあるのだろうけど、ソフトの部分は今のところ何も新しさを感じない、普通の中学校です。今のところ良いと思ったのは靴下や体操服が白だけでなく紺が選べること。女子もスカートではなくスラックスが選べること。それくらい。

同級生が92人。この中から気の合う仲間が見つかれば、学校生活が少しは楽しくなるんだろうけど、まだ続くコロナ渦の中、マスクつけて登校して、思春期の子がすぐに友達を作ることは難しいよね。ハスちゃん、知り合い、ちょっと話せる子はいるけど、友達はできないよ、とのこと。

昨夜、夕食を食べながら、ハスちゃんが「私体育いやだ。体育がある日休みたい」と言った。キターこれ奄美でもあったねぇ。

なんでも、集団行動とかなんとかで、ひたすら立ち方座り方、集合し方、みたいなのを延々やらされたらしい。1回目も嫌だと言っていたけど、2回目の体育でもう無理だと思ったみたい。クラスの中にふざける子がいて、ハスちゃんはその子たちが面白くて笑っているんだけど、先生は怒鳴るし、ふざける子がいる限り集団行動、延々とやることになるから、微妙、もう体育嫌って。。。

体育って、運動の楽しさ、体を動かす喜び、みたいなこと、将来学校を卒業しても健康の為に体を動かす大人になれるような教育をしなければいけないんじゃない?ハスちゃんは奄美の長縄、なわとびを強制的にやらされる事件以降、体育が嫌いになってしまい、今回のこの集団行動で決定的に体育無理!となってしまった。何やってるんだろうね、日本の義務教育は。

校舎をや制服を新しくしたり、校歌でみんなちがっていいんだと歌ったり、そんな風に新しい学校を作った風にみせるのは、比較的簡単だけど、でも、子供を主体とした学校を創ることの難しさよ。まずは先生がどんな風にどんな言葉で生徒に語り掛け、どう生徒を動かすか、先生の意識改革が一番難しいね。あと保護者の意識改革も。

やはりハスちゃん中学校楽しくないって。予想通りです。

イエナプラン教育校での宿題について

ハスちゃんカメちゃん、広島での新生活が始まって半月。学校生活も2週終わったところで、予想通りの展開になっております。

公立初、イエナプラン教育校へ転入したカメちゃん。持前の天真爛漫で何事も積極的にやりたがる、誰とでも話す、絡む、というキャラクターを存分に発揮し、漫喫しております。毎日50人くらい、いや、30人くらいの子が挨拶してくれるんだよーとドヤ顔。学校のみなさんも、なんだかおもしろい転入生が来た!とかなり注目してくれている様子で。よかったねぇ。予想通り。

昨日は年度初めの恒例行事、家庭学習(宿題)について担任の先生と話してきました。学校側から宿題を出すことはほとんどありません、ご安心ください、というスタンスの下、こちらの考えを伝えた。今までに味わったことのない感覚。学校側も完全に家庭学習(宿題)は家庭の自主性に任せたい、子供が自主的に取り組む物にしたい、という考えのよう。ただ、今まで与えられた宿題をこなしてきた文化で生きてきた家庭にとっては、急にそんな自主的とか言われても。。。という所の配慮というか、フォローは必要だよね。

自主的に家庭学習を行う上での道しるべ?めあて?みたいな物なのか?「家庭学習カード」といものが配られた。どんな学習に何分取り組み、どうだったか?みたいなことを記録するカード。これ見た瞬間は「出た~!!!」と思った。奄美でも家庭学習強化週間とか、月間とかあって、同様の記録カードを書かされたことあったなぁ。私は個人的にこういう形式的な記録カードが好きではない。自らの意思でこういうことを記録しようと思うなら意味があるでしょうが、学校から書きなさいと言われて記録する系のもので、本質的に価値があるものに出会ったことがないから。

連絡帳に、先生に対して失礼にならない様、我が家はこのようなカードがなくてもしっかりと家庭学習を行います。ですので、カメちゃんがこのカードに記入しないことを認めて頂きたいという感じで書いた。そもそも、学校からは宿題を出しません、というスタンスの下書く連絡帳は、今まで感じたことのないくらい気楽にかけた。戦闘モードで行く必要がない。論破しようという気合がいらない。

私の連絡帳を読んだ担任の先生のお答えは、学校としてもこういう形式的なものからの脱却を理想としています!というもの。あぁ、幸せです。学校も理想とするものを現実とするために、いろんなタイプの親に対して工夫をする時期なんだよな。

いい公立小学校ができたなぁと、うれしいです。

ハスちゃんの新生活

奄美から広島へ引っ越し、ハスちゃんの新生活が始まった。ハスちゃんも、小中一貫の新規開校した学校へ入学。奄美の同学年が2人という環境から、急に90人強の同級生がいる環境へ。入学式では、校庭に集まっている同級生を見て、「うわっ!めっちゃおる!あんなにきちんとした格好した子供がたくさんおるの見たの初めて」とおもしろい反応をしていた。

同級生の仲間がたくさんいる。それが良い方へ作用してくれたらいいな、と願っている。しかし、ハスちゃんは思春期。あんなに誰とでもすぐ仲良くなれていたキャラだったのに、今や初対面の人とは話さない、目も合わせない、そんな感じのキャラになっていて。そんな状態だから、一人完全アウェーの中学校でもまだ友達はできていないみたい。そして、やっぱり楽しくない、と言う。

部活もやりたいことないから、帰宅部がいいな、と言っていたけど、何か、できそうなものに入ってみることを勧めた。やっぱり部活動の仲間とはとっても仲良くなれるから。ハスちゃんの学校生活を楽しくしてくれるのは、やはり、友達、気の合う仲間だと思う。

新しい人との関わりを避けるようなハスちゃんを心配に思って、今朝は手紙を渡した。常に笑顔でいること、と。楽しくない時ほど笑顔でいること。それを読んで、「うん」と登校していったけど、今日は少しは笑えただろうか。たーっくさんいる同級生の中から、一緒に楽しい時間を過ごせる友達を早く見つけられますように。

カメちゃんの新生活

奄美から広島へ引っ越し、カメちゃんのイエナプラン教育校での新生活が始まった。高学年クラスは、転入生がとても少ないから登校初日は私は少し心配した。カメちゃんは心配はない、楽しみ、とのことで、カメちゃんならすぐ馴染むだろうと思っていたけど、予想以上のスピードとレベルで馴染んでいる。

教室に入り、体育館に移動する時、体育館が分からないカメちゃんを案内してくれた子がいて、その子とすぐに仲良くなって。天真爛漫に振舞っていたのだろう、「あなた新しい転入生ね」「あなたがカメちゃんね」「カメちゃんでしょう?」などとひっきりなしに僕の机にみんなが話しかけに来てくれたみたいで。「対応が忙しかったよ」なんて売れっ子アイドルの握手会のような気分を味わったらしい。うれしそうな顔で話すカメちゃんを見てると、やはりこの子は幸せな子だと思う。

2日目に、昼休みにクラスみんなでケイドロをしたみたいで、その時カメちゃんが大活躍したことでまた一気にカメちゃんへの注目度が高まったみたいで。他のクラスからも僕に会いに来てくれたんだよ、と嬉しそうに、ちょっとドヤ顔で話してくれた。自分は逃げるのもうまいし、味方を何人も助けたから、みんなに感謝されたんだーだって。

放課後迎えに行くと、校庭を縦横無尽に遊びまわるカメちゃん。野球にも、サッカーにも、バスケにも、ジャングル鬼ごにも、一人でタイヤを回してる子にも、絡んでゆく。そして、結構何やっても上手だから、みんな喜んで仲間に入れてくれて。運動神経がいいことも、すんなり馴染めた要因かなぁ。子どもを迎えに来ている複数の親御さんに、「カメちゃん、すごい運動神経ですね」とか、「楽しそうに遊んでますね」と、すでに遊びの天才ぷりを発揮している。

朝登校するときも、車から降りたら馴染みの顔を見つけて、ハイタッチ!しながら「荷物おいてすぐ来るから待ってて!」みたいな会話をしているカメちゃんをみると、よかったなぁ、と思う。

奄美では朝登校したらボランティア清掃の時間。掃除の時間は給食の後あるのに、朝も掃除。今は登校したら自由に遊べる。これこれ!しかも標準服から解放されて、私服で登校できる。これが何よりも今のところ大きい。うれしいです。

新天地での不安な気持ち

新しい場所に着いて、少し落ち着くと、少しというのは1日、2日かな、荷入れが終わって、役場での転入手続きとライフラインの諸連絡が終わったら、私は不安になる。大体の人は、そんな不安な気持ちがあって、自分の生きる環境を変えることを躊躇するんだろうな。私はよく勇気があるね、とか、度胸があるね、と言われる。急に外国行く、とか、奄美に行く、とか、それも旅行じゃなくて生活する、と言い出すから。より良い生活が送れると思ったら、行く!という馬力はある。何も怖くない。毎日の生活をより良くできるんだから。でも、人並みに不安な気持ちはあって、それが新天地に移動してから数日で訪れる。今、だ。

広島から奄美に引っ越した時もそうだった。意気揚々と移動して、そして不安になった。知り合いは1人、2人くらいだし、そんなに親しくもない。子供もまだ学校が始まっていないから、友達がいない。親子ともどもブルーになる。奄美で初めて住んだ地では、春休みだというのに、外で子供が一切遊んでいなくて不安になったなぁ。

広島県福山市の田舎に住むことになり、また同じ気持ちになっている。子供がより輝ける学校を選んで移住してきたけど、カメちゃんは6日、ハスちゃんが7日から学校がスタートする。そこまでは友達ゼロの状態。もちろん一緒に遊べる友人もいない。私は子供が友達と楽しく外遊びしているのをみるのが、幸せと感じる。だから、今この状況は辛いし、せっかく引っ越ししてきたのに、子供が楽しく過ごせなかったら、なんて考えるとブルーになる。

ここ、新たに住むことになった地は、福山の人からしたら”過疎地”らしい。過疎地にも定義がいろいろありそう。老人が多いのが過疎地なのか。私からしたら、車で5分走ったら大きなスーパーとホームセンターが2つ、図書館があり、ガソリンスタンドが何個もある。コンビニもある。めちゃくちゃ便利なのに過疎地なのか。確かに、私が住んでいる場所はいきなりかなり田舎。それでも奄美で住んでいた場所は最寄りのスーパーまで車で20分だったから。5分でスーパーはどこでもドアを手に入れたくらいの便利さ。

奄美以外でもあったのか、と思った、汲み取り式便所。この地域はまだ汲み取りの家庭が大半。インターネット工事を申し込んだら、2か月待ち。wimax とかNTTを介さないネットはサービスエリア外、と、なかなか奄美の僻地に負けない不便さ。うん、私にはこれくらいがちょうどいい。徒歩圏内にコンビニがないことも気に入った。

奄美のあの躍動感あるパワー溢れる感じが懐かしい。新居が片付いたら、私が何かを生み出せたらいいなぁ。そして子供たちが学校で輝けたらいいなぁ。学校じゃなくてもいいんだけど。輝ける道を見つけられますように。

東京

ハスちゃんは東京で生まれた。そして年中の5月まで生活した。カメちゃんはまだ年少の下の赤ちゃん組だったなぁ。

今回奄美を引き上げる際、大体いつもピーチで大阪経由で広島に帰っていたけど、東京経由で2人が幼い時に仲良くしていた親子に会いに行くことにした。

小さい時は仲良かったけど、ハスちゃんは今や6年生。一度卒園して小学校入学のタイミングで会いにはいってるけど、それでも6年ぶり。覚えているけどお互い思春期。会っても話せえるかな、どうなるかな、という感じ。

まずは、カメちゃんの同級生、4年生の終盤を迎えた家庭を訪問。この家庭はかなり食生活が自然派で、発酵生活していてライフスタイルが合った。カメちゃんと同級生の息子さんに、テレビも見せない、お菓子も与えない、甘い物はご法度、というような家庭だった。

この家庭にはもうすぐ3歳になる妹が産まれていて、訪問したら彼女の天真爛漫さに助けられてハスちゃんもカメちゃんもすぐに馴染んだ。幼い子供、未就学児って無敵だなぁ、と思った。

この家庭にも例外はなくゲーム機が導入されていた。びっくりした。テレビ番組も見せていなかったのに、、、と。一応買う時に誓約書みたいなの書かせたみたいだけど、全く守られていない、とお父さんが言っていた。うん、そうなるよね。

家にいたら、時間さえあればゲームをしようとする。3歳の妹もいつもは触らせてもらえないゲームを、来客のこのときばかりは、と触りたがる。ゲーム、ゲーム、ゲームの嵐。ハスちゃんとカメちゃんは、一泊このおうちに滞在するだけだし、いつもはやっていないから、ま、いっか、とは思ったけど、このお友達は毎日こんな感じなのか、、、と思うと胸が痛む。

翌日は、ハスちゃんの同級生R君のお宅へお邪魔。もう6年生。思春期。ハスちゃんだってもう無邪気にいつ誰とでも仲良くできる感じではない。もしかしたら、R君と話せないかもなぁなんて思ってたけど、予想的中。

R君、私たちよりも後に習い事から帰ってきたんだけど、目線が全く合わず、気まずい感じ。何というか、話しかけていいのかなという雰囲気。都会の6年生ってこんな感じなのかとたじろぎながら観察する。

帰宅後からずーっと自分の携帯を見続け、何かを打ったりしてる。そしていきなり「あいつらゲームしてんのか、荒らしてやる」みたいなことをつぶやきおもむろにゲームを始めなさった。ゲームでもしようかな(^^♪ではない、荒らしてやる!あいつらみんなぶっ殺す!みたいな感じなのぉ~涙 奄美の超田舎から東京にやってきている私からしたら、もう異次元、とういうか、奄美の小学生も都市部ではそうなのかもしれないけど、なんだか、もう、ショックだった。

R君のお母さんは、私はとっても大好きで、恩人といえるような大切な人。彼女も、小学校卒業して中学進学で友達と離れるからと思って拒み続けていた携帯を与えたけど、与えたら思った通りの展開、悪いことが起こっている、と言っていた。そうだよね。そして、戦闘ゲームをし始めてからR君の言動が荒くなっていったって。ゲームしてる時、R君が豹変するって言ってたけど、私が客観的に見た限り、ずーっとそんな感じだったRくん。とにかく携帯から目を離さない。携帯見てなかったら、ゲーム、みたいな。。。

そんなR君を見ているのが苦しくて、早く帰りたい、早く去りたいと思っていた。言えないけど。

前日まで滞在していた奄美でほぼ自給自足の生活をしている家庭のことを思い出すと、あれは夢だったか、映画の世界だったか、と思えるほどの乖離。おかげで、私が目指す家庭、送りたい日常などを再確認できた。

R君と一言も直接会話をすることがなかったハスちゃん。ハスちゃんにとってもゲームの存在は衝撃であったであろう。よい修行となった。ゲ―ムとスマホ、こわい、こわすぎる。