やさしい子

どんぐり式子育てを選択すると家庭内は穏やかでいいことだらけ。おまけに本物の学力がつく最高の子育てなんだけれども、”やさしい子”になるというのがまた嬉しい。

ハスちゃんは、奄美大島に移住して一番最初に住んだ集落では、仲間外れにされて苦しい思いをした。10人ちょっとしかいない子どもの中で、リーダーである中学生が誰かを仲間外れにするタイプの子だった。小学生は何があってもそのリーダーに歯向かうことはしない。言いなり。

ハスちゃんは、そんな絶対的リーダーにも意見した。同級生の男の子Kが仲間外れにされそうになった時、「私はKくんも一緒にみんなで遊びたい!」と言った。そうしたら、「じゃああんたKと遊べば!」とハスちゃんも仲間外れにされてしまった。Kくんは泣きながら家に帰った。ハスちゃんはKくんを心配して泣いていた。

翌日、何事もなかったようにみんな遊んでいる。そして、ハスちゃんが仲間外れにされていた。みんなでハスちゃんを無視している。もちろんKくんも。昨日自分の味方してくれたことなんて覚えてないみたい。「ハスちゃんは、一番強くてやさしい子だよ」と何度も言った記憶がある。辛かったなぁ、あの時は。でも、ハスちゃんのことを誇りに思っている。

カメちゃんの同級生に、とーってものんびりで、何をするにもみんなの何倍も時間がかかるSがいる。「書写が全然終わらないSくんに、みんなが「早くしたら!?」とかいろいろ言うから、僕ね”Sくんはゆっくりていねいにやってるんだよ”」と言ってあげたんだよ」とカメちゃんが言った。私が「ゆっくりていねいがいいもんね」と言うと、「本当はね、Sくんふざけてるというか、真面目にやってないだけなんだけどね」と苦笑しながらカメちゃんが言った。なんてやさしい子なんだ、とこれまた息子を誇りに思った。

我が子のやさしさを誇りに思えるのは、幸せこの上ない。